MLBソト選手、大谷超え契約。その資金源は?

ヤンキースからFAとなったファン・ソト選手が、同じニューヨークを本拠地とするメッツとの契約を発表。大谷翔平選手の10年総額7億ドルを上回る、15年総額7.65億ドルで、総額としてはプロスポーツ史上最高額の契約になったそうで。


5シーズンが終了した2029年末には、ソト選手側から途中解約ができるオプトアウト条項が含まれており、メッツ側は年俸400万ドルを積み増すことでこれを取り消すことができるとのこと。これを含めると総額は8.05億ドルに達します。


大谷選手は年俸の98%が後払いとなる契約で、金利や物価上昇分を加味すると数字よりも実際の価値は下がるのですが、ソト選手にはなし。球団はいわゆる贅沢税(ラグジュアリー・タックス)を支払う義務も発生します。

いくらオプトアウト条項がついているとはいえ、ほぼ引退までをカバーする長期契約というのは恐ろしいものがありますが、気になるのはその資金源です。当ブログでは今年も旧Bally Sportsの破綻処理などMLBの動向を幾度か取り上げました。


で、最初に答えを書いてしまうと、放映権料以前にオーナーの資金力だと言ってよいかと思います。2020年に球団を買収したスティーブ・コーエン氏はメッツの大ファンであり、買収額はおよそ24億ドルとのこと。昇降格のないクローズドリーグでは、球団のオーナーの座は限られており、高値で売買されることになります。

メッツのローカル放映権を保有するのはSNY(SportsNet New York)です。SNYのオーナーはメッツの前オーナーの会社であり、株式の65%を所有。大手CATVのチャーターが27%、同じく大手CATVのComcastの傘下であるNBCグループが8%を所有しています。


コーエン氏がメッツを買収する前は、ほぼメッツ自前の放送局だったですが、買収後は独立した局であり、間接的に収益の一部が前オーナーに行く関係となっています。

SNYの創立は2006年で、その際に2030年までの25年契約を結んでいます。総額は13億ドル(1年あたり5,200万ドル)と推定されています。この金額はMLB全球団の中では決して高いほうではないので、それだけオーナーが突っ込んでいるということになります。

ちなみにドジャースのローカル放映権料は年間2億ドル強と推定され、MLB全球団のトップです。最大のライバルであるヤンキースも年間1.2億ドル以上と推定されています。メッツ、そしてソト選手は収益力の差を成績によって覆すことができるのでしょうか。

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