【続報】DAZN、Foxtel買収の背後に豪&サウジ人脈?
昨日速報でお伝えした、DAZNによるオーストラリア・Foxtelの買収ですが、欧米のメディアはクリスマス休暇に入ってしまったのか、プレスリリースをなぞる程度の報道しかなく、詳しく分析したものは見つかりません。
その替わりと言いますか、現地メディアの「WAtoday」が12月19日付で報じた記事が見つかりましたのでこちらを紹介します。
見出しからしてオリガルヒ(oligarchs)という単語が登場して若干びびりますが、これはDAZNの親会社・Access Industriesの代表であるLen Bravatnik氏を指したものです。ロシアの新興財閥を指す用語として最近になって注目されましたが、Bravatnik氏はウクライナの出身であり、本人的にはそう呼ばれたくないようです。ロシアに対して行われている金融制裁の対象にも含まれていません。
世界長者番付にも名を連ねるBravatnik氏の資金がDAZNのバックにあることは事実ですが、DAZNはこれまで40億ドルを超える累積赤字を叩き出し、親会社からの支援を受けている状態です。これ以上の赤字を垂れ流せる状況にはありません。なので、こちらをあまり強調する必要はないかと思われます。
そうなると、資金力のバックとして必然的にサウジマネーの存在が指摘されます。この記事では、サウジの投資ファンド・PIFの傘下でスポーツ部門への投資を手がけているSURJ Sports InvestmentsのCEO・Danny Townsend氏の名前が登場します。
Townsend氏はAリーグ・シドニーFCのCEOを務めた後、2020年12月にAリーグの運営会社のCEOに就任。2023年10月に辞任し、SURJに転身しています。(当時の名前はSRJ)
Townsend氏は12月18日付の「SportsPro」の記事で独占インタビューに応じており、今後数か月以内に新たな契約を発表する予定であると発言しています。このひとつがDAZNである可能性も充分に考えられるというわけです。
さて、Townsend氏に代わってAリーグの代表になったのはJames Rashton氏です。この名前を覚えている方はいるでしょうか。そう、かつてDAZNのCEOを務めた人物であり、DAZNとJリーグの契約をまとめたジェームズ・ラシュトン氏です。2017年のJリーグ開幕日に配信障害を起こし、後に謝罪会見で頭を下げた人物と言ったほうが分かるかもしれません。
Townsend氏もRashton氏もオーストラリア出身であり、かつてAリーグで一緒に働いていた仲ということで、今回の買収劇に絡んでいるのでは・・・という推測がなされています。それが正しいのであれば、SURJがDAZNに出資し、Foxtelの買収資金に充てるというシナリオが完成することになります。
DAZNはオーストラリアのスポーツをグローバルで配信する計画もあるとのこと。そうなると、Aリーグが配信する可能性も出てきます。Aリーグも海外向けに放映権を販売しているのですが、購入者がいない国に対しては公式YouTubeで配信している状況であり、日本からも視聴することができます。
なので、DAZNでの配信に切り替わったところで我々にとってはさほどメリットはないのですが、AリーグからしてみるとDAZNがグローバルで放映権を購入してくれれば、まとまった資金が得られることになります。
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