【2026年】来年気になる放映権

F1 (2026年～)

前回、2023年の契約更新では、従来の権利者であるディズニー(旧FOX Sports)が結んでいた7年契約が切れるということで、大きな変動があるかとも思われましたが、ふたを開けてみればディズニーとサブライセンス契約を結んでいるDAZNとフジテレビが、そのままF1と直接契約を結ぶという形で決着しています。

もうひとつの注目ポイントが、F1公式の「F1TV Pro」が日本上陸するかどうかです。2023年は見送られましたが、今度こそ上陸するのを期待したいところです。

昨年末、DAZNはオーストラリアのFoxtelを買収しましたが、FoxtelはF1の放映権を持っており、F1TV Proをバンドルで提供しています。DAZNもそのまま継続では放映権料の高騰に対応するのは難しく、Foxtel同様にバンドルするのか、あるいはDAZNのサービス内に組み込むような形になるかもしれません。その場合、全セッションを視聴するのに追加料金がかかる・・・といった可能性もみておく必要があります。

また、2社と契約しているという状況自体がイレギュラーとも言え、2026年にはそれを是正するべく1社に絞ってくるかもしれません。そうなるとフジテレビにとっては厳しい戦いとなりますし、DAZN以外にも参入を狙っているところがありそうです。

日本以外だと、アメリカも2026年から新たなサイクルに入ります。現在の権利者であるESPNは、大幅な値上げを呑んで契約しましたが、視聴者数は天井に達しており、これ以上の値上げはなかなか大変です。

そうなると、以前報道があったNetflixであったり、F1を舞台とした映画を制作しているAppleといった名前も浮上してきます。両社ともグローバル指向なので、ひとつ動きがあれば他国にも影響が出ることが充分に考えられます。

Jリーグ特別大会 (2026年)

秋春制への移行措置として行われる特別大会は、J1単独とJ2・J3混合に分かれて開催されますが、まずはDAZNとJリーグが結んでいる放映権契約(2033年まで)にこの大会が含まれているのかがはっきりしていません。現在の契約ではJ3が対象から外されているため、J2・J3混合というフォーマットと馴染みません。

普通に考えれば、別個の大会として改めて放映権を設定することになるのではと考えられます。その場合、DAZNだけでなく、今年からJ3を全試合配信するLeminoであったり、ルヴァンカップの権利者であるフジテレビとスカパーなどが入り込む余地が出てきます。

DAZNが販売している年間パスについてもハーフシーズン用のものを用意する必要が出てきます。その際、試合が減ってしまうのは避けたいところで、少なくともJ1についてはDAZNが引き受けそうな気がしますが、J2・J3については微妙です。Leminoなどと分け合うことになるのでしょうか。

FIFAワールドカップ (2026年)

2022年カタール大会ではジャパンコンソーシアム(JC)が崩壊し、NHK・フジテレビ・テレビ朝日・ABEMAの連合が放映権を獲得しました。とくにABEMAは全試合無料配信を敢行し、多くの視聴者を獲得することに成功しましたが、次回も赤字上等というわけにはいかないでしょう。

もうひとつ気になる情報として、電通が代理店から外れるのでは・・・というのがあります。電通はJCの窓口となって権利を買い付け、分配するという役割を担っており、JCが崩壊しても枠組み自体は生きていましたが、今度はそうはいかなくなりそうです。

電通が他の代理店から買い付けて同じ役割を果たすことも考えられますが、そうなると手数料が二重にかかってしまいます。それよりも、1社が代表して購入し、他社にサブライセンスする方式のほうが合理的のように思われます。

全試合無料が維持されるかも大きな注目ポイントです。前回のABEMAのように赤字上等でも権利が欲しいと考える企業が現れれば別ですが、現れなければ一部の試合(日本戦・決勝戦など)のみが無料で、他の試合が有料になることも充分考えられるのです。

UFC (2026年～)

こちらは主にアメリカの話となります。UFCはWWEと合併し、WWEはアメリカでNetflixと巨額の契約を結びました。UFCについても、現在の権利者であるESPNとの契約が2025年末で切れるため、2026年以降の権利が注目されています。NBAの権利を失うことが決まったWBDの名前があがっていますが、現時点で候補はたくさんあります。