フジテレビ、AC差し替え分のCM料金を請求せず。
フジテレビは、ACジャパンに差し替えられたCMについて料金を請求しない方針を決定したと報じられています。天災や広告主側の不祥事とは違い、テレビ局側の不祥事に起因するものということで、減収を受け入れざるを得なくなりました。
第三者による調査委員会の報告書は3月末に出される予定となっており、それまでは収入が大きく減ることは確実であり、また報告書の内容によっては4月以降も危うくなります。日々状況が変化する、このスピード感には正直戸惑います。
紹介した毎日新聞の記事でも触れられていますが、フジテレビの2023年度決算によると「放送収入」は1,473億円です。1日あたり約4億円という計算で、そのうちかなりの割合が吹っ飛ぶことになります。
また「配信広告」が約78億円となっており、こちらは主にTVer経由の収入です。TVerについては、広告主が配信先のコンテンツを指定できることから、すでにフジテレビの番組を除外する広告主が続出しているとも聞いています。テレビCMよりは規模が小さいとは言え、TVerの市場は今後拡大していく見込みなので、長期的にはこれも痛手になります。
あんまりやると当ブログの趣旨からどんどん外れていきますので、このあたりにしたいと思いますが、気になるのはこの問題が収束した後の世界です。テレビCMを打たなくても、広告主の売上はさほど変わらなかった・・・といった結果になれば、フジテレビに限らず、テレビCM全体が縮小していくきっかけになるかもしれません。ある意味、壮大な実験が行われているとも言えます。
その場合、予算が流れていく先としてもっとも有力なのはインターネット広告ということになるでしょう。YouTubeだけでなく、Netflix、disney+、ABEMAといったサービスが広告付きプランを導入しており、Amazonプライムも追随予定です。あるいは、広告を使わない別のマーケティング手法に切り替えていくことも充分考えられます。
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