吉田選手、MLSに不満。競合リーグも出現か。

MLSのロサンゼルス・ギャラクシーに所属する吉田麻也選手。昨シーズンはキャプテンを務め、見事優勝に導く活躍をみせたものの、昨年80万ドルだった年俸が下がってしまったとのこと。


MLSはサラリーキャップ制度を導入しているため、たとえ優勝しても全員の年俸が上がることはなく、誰かを放出しないといけなくなります。吉田選手は家族の事情もあって残留を決めたそうですが、替わりに若い選手が放出されてしまいました。

MLSはアメリカの4大プロスポーツと同じ「昇降格なし」「戦力均衡」のシステムを採用しています。これは、かつて存在していたNASLの失敗を教訓としたものですが、ヨーロッパ型のシステムとはどうしても相性が合いません。


戦力均衡の仕掛けとしては、サラリーキャップのほか贅沢税、そしてドラフトの開催があげられます。また、放映権を含む商業的な権利をリーグが一括管理し、各クラブに配分する仕組みも該当します。


MLSもかつてはMLBやNBAのように、各クラブがローカルの放映権を管理していました。しかし、MLSは一括管理に切り替え、各クラブに2023年以降の契約を結ばないよう指示。そして、2023年からAppleと10年間の独占契約を結んだのです。

アメリカ型とヨーロッパ型、どちらにも長所と短所があり、どちらが正しいといったものはないのですが、サッカーにおいては徐々に切り替えていく必要があるようにも感じます。2026年、北米でのワールドカップが開催された後には、いろいろと変革が起こりそうです。この時点でバブルがはじけないよう、人気を維持し続ける必要があります。


日本と同様にシーズンを「秋春制」に移行する案が検討されているほか、2部リーグを作り昇降格を導入する案も出ているとのこと。ビジネスモデルのハイブリッド化は大きな挑戦となります。

さらに新たな動きも出てきました。アメリカの別のリーグであるUSLが、2027-28シーズンから従来の2部制を3部制に改めると発表しました。現在の1部リーグである「USLチャンピオンシップ」は、MLSの存在がゆえにアメリカでは2部リーグ相当とみなされてきましたが、その上位に相当する「ディビジョン1」を新たに創設することで、MLSと同格のリーグをめざします。


USLには昇降格があり、サラリーキャップは存在しませんので、ビジネスモデルにおいても競争することになります。FIFAはひとつの国に複数のトップリーグが存在することを認めていませんが、優勝クラブどうしのカップ戦開催といった形式に発展する可能性はあります。

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