棋士挑戦失敗も、再起に賭ける西山女流。

本日も3本目の記事です。なかなか掲載タイミングが見つからず遅くなってしまいましたが、あす3月8日に開幕する「岡田美術館杯女流名人戦」が楽天Rチャンネルでライブ配信されると発表されましたので、もう本日掲載するしかありません。

今回はスポーツ報知に掲載された、西山朋佳女流三冠のインタビュー記事をご紹介。純粋にいい記事だな、と思ったのです。ご存知の通り、棋士編入試験に挑戦していた西山さんですが、2勝3敗で惜しくも失敗に終わりました。それから1か月近くが経過し、当時何を思い、そしていま何を考えているのかを誠実に語ってくれています。

棋士として男性に混じっても充分活躍できる実力を持っていることは疑いなく、「初の女性棋士誕生」となれば大きな話題になったことでしょう。なので、もったいないなぁ・・・という気持ちも正直あったのですが、この記事を読んでそんな邪念は消し飛びました。


その一方で、勝ってもさほどメリットはないにも関わらず、試験官として自らの役割を全うした5人の若手棋士にも最大のリスペクトを送らないといけません。やはり、実力のみが物を言う社会で全力で勝負するからこそ周囲を魅了する存在になれるのです。


インタビュアーの瀬戸花音記者は、将棋を知らない状態で配属されたそうですが、その誠実な仕事ぶりは多くの関係者に評価されており、私も一読者としてその成長を見守ってきましたので、ちょっとした父親気分になっております(笑)

惜しむらくは、将棋担当から芸能担当への異動が決まったとのことです。あまり「女性らしさ」とか言い出すと怒られてしまうご時世ですが、最後にこのインタビューで西山さんの思いを引き出したのは、本当に素晴らしい仕事ぶりでした。新天地でも活躍を期待しています。

ここからは完全なる愚痴ですが、やはり五番勝負で合否を決める現在のシステムは、受験者・試験官ともに過大な負荷を強いるものであり、また運不運が生じやすいため、何かしら改善は必要だと個人的には思っています。


棋士の実力をもっと客観的に評価する方法が必要なのかもしれません。ただ、将棋は勝ちと負けとかなく、プロセスは問われません。野球では、従来の指標である打率や(投手の)勝利数といった指標が選手の実力を反映していないという批判からサイバーメトリクスが生まれましたが、将棋では難しそう。現実的には、レーティングを公式に採用するくらいしかアイデアが出てきません。

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