NFLブラジル開催、YouTubeで無料配信。

9月5日(金)、ブラジル・サンパウロで開催されるのNFL公式戦について、YouTubeが無料かつグローバルを対象として独占ライブ配信することが正式発表されています。この試合にはもともとロサンゼルス・チャージャーズの出場が決まっていましたが、対戦相手がカンザスシティ・チーフスに決定したこともあわせて発表されています。

海外市場の開拓を進めているNFLは、昨年初めてブラジルで公式戦を開催しました。9月6日(金)に行われたグリーンベイ・パッカーズとフィラデルフィア・イーグルスの試合は、NBC傘下のストリーミング「Peacock」で独占ライブ配信され、テレビ中継はありませんでした。


NBCはこの試合に1億500万ドルの放映権料を支払ったとされます。YouTubeも同等以上の金額を支払うのではとも報じられています。


グローバルかつ独占配信となっていますが、カナダなどいくつか対象外の国もあるとのこと。日本ではDAZNが日本語コメンタリー付きで配信しているため、YouTube独占かつ英語のみという事態は避けて頂きたいところです。


DAZNがアメリカ以外のグローバルで販売権を獲得している「NFL Game Pass」への影響はまだ不明ですが、DAZNの同意のうえで進められている話でしょうし、YouTubeが支払う放映権料の一部がDAZNに配分されることも想定されます。


日テレジータスでの放送も不明です。日本時間だと土曜朝なので、そもそも放送枠が確保できるどうかも不明です。分かり次第また取り上げます。


【追記 5/16】

NFL Game Passでの配信はあるとのこと。昨年のクリスマスゲーム(Netflixが配信)の例にならうと、DAZNのスタンダードプランでの配信はなく、またNFL Game Passは英語コメンタリーのみの配信でした。今回もそうなるのでしょうか。

https://nfljapan.com/headlines/110981

金曜日にNFLが開催されるのは珍しいことです。金曜・土曜は学生の試合が優先されているからです。1961年に制定された「スポーツ放送法」の規程では、9月第2週から12月第2週までの金曜(午後6時以降)と土曜にNFLの試合を放送することが禁止されています。


NFLはその抜け道として、2023年に「ブラックフライデーゲーム」を開催。午後6時までに試合を終わらせることで規制を回避しました。そして、昨年ブラジルで開催された試合は9月第1週の開催ということで、これも回避しています。


そういう特別な試合なので、特別にブラジルで開催することにして、さらに特別な放映権を設定してしまおうというわけですね。

1億ドル以上を支払って、かつ無料配信ということになれば、YouTubeも太っ腹だということになりますが、もちろん回収する必要があります。YouTubeはアメリカ国内で「NFL Sunday Ticket」の権利を保有しています。


NFLの全試合をライブ配信しているこのサービスは、来シーズンの価格を年額449ドルから480ドルに値上げすると発表しています(YouTube TVとのセット契約だと378ドル)。これはスポーツ系のストリーミングサービスにおいて最高額の部類です。


YouTubeの放映権料は20億ドル以上とされており、これはこれでとんでもない高額なのですが、今回の値上げの衝撃を少しでも和らげたいという意図もあるのでしょう。

もうひとつ衝撃の緩和策が発表されています。従来は年間一括払い、もしくは年4回の分割払いだったものの、月額払いにも対応するというものです。ただ、結局のところ支払う合計額は変わらず「朝三暮四」という言葉が連想されます。これでいいんですかね。

今回の試合の映像制作はNBCが担当すると報じられています。昨年のクリスマスにNetflixが配信した試合はCBSが請け負いましたが、今度はNBCの出番です。すでにAmazonのThursday Night Footballの制作も担当しており、実績は充分なのですが、テレビ局の役割もだんだんと変化しつつあります。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000