JDリーグ、稼ぎたい米代表選手が多数来日。
2028年のロサンゼルス五輪で復活が決まっているソフトボールは、日本とアメリカによる金メダル争いが予想されますが、現在アメリカ代表選手の多くが日本のJDリーグでプレーしているというお話です。
「Front Office Sports」は二人の選手にインタビューしています。豊田自動織機シャイニングベガに所属するケリー・マクスウェル選手(投手)と、日立サンディーバに所属するドンテイシャ(ドニー)・ゴーボーン選手(投手)です。
アメリカにはAUSLというプロリーグがありますが、平均年俸は4万ドル程度とのこと。JDリーグでの収入は「倍以上」だと二人は語っています。金額については「6ケタ」と表現されており、少なくとも10万ドル以上の年俸が支払われているようです。
JDリーグは完全なプロリーグではなく、従来の実業団にプロ契約の選手が混在する形式になっています。二人はプロ契約ということになりますが、助っ人である以上、将来の保証がない社員選手よりも高い年俸を支払うのは当然でしょうし、アメリカ代表ともなれば複数のチームが競合したものと考えられます。
昨年大学を卒業したマクスウェル選手は、今年秋に獣医の学校に入学を予定しており、それまでの間、学費を稼ぐために来日したと語っています。外国人選手はほとんどが単年契約を選択するとのことなので、おそらくシーズン後には帰国することになるのでしょう。
ゴーボーン選手は、JDリーグはアメリカよりも環境がよいと語っています。完全プロ化には至ってなくても、実業団には実業団のよさがあるというわけです。この記事からは、アメリカ人が日本特有のシステムと言える実業団に感嘆している様子がうかがえます。
これはソフトボールだけでなく、ラグビー(リーグワン)やバレーボール(SVリーグ)といったプロ化の過程にあるリーグにも同様のことが言えます。自国よりも環境がよく、稼げるリーグであれば日本にやってくるのです。それは裏を返せば、他のスポーツに比べて稼げる環境が整っていないスポーツゆえの悲哀でもあります。
もちろん、実業団にもリスクはあります。いまは比較的景気がよい時期ですが、景気が悪くなれば実業団は撤退が相次ぐようになります。プロ化を進めるのは、その際にもオーナーが交代したり、あるいはファンや地域が支える構造を作るという意味合いもあります。ですから一長一短なのですが、競技ごとに現在の立ち位置にあったリーグの位置づけがあるのです。
なお、JDリーグの試合は、スポーツナビが全試合ライブ配信を行っています。
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