将棋連盟・清水新会長を選出。白玲5期で棋士に。

日本将棋連盟は6月6日に棋士総会を開催。退任を表明した羽生善治前会長に代わる新たな会長に、清水市代女流七段が就任しました。


もうちょっと正確な書き方をすると、まずは理事の選出が行われました。理事は立候補者数が定数と同じだったため、選挙ではなく信任投票が実施され、全員の信認が決まった後、新理事の互選によって新会長が決定しています。

個人的なことを書きますと、清水新会長には一度お目にかかったことがありまして、凛とした姿が印象に残っています。常務理事を4期8年務めており、その間に女流棋戦は「清麗戦」「白玲戦」が新設。棋士と同じ八大タイトルとなりました。


羽生前会長は「若い世代に託したい」というコメントを残していましたが、清水新会長は羽生前会長よりも年上ということになります。年下となると今回初めて理事となった糸谷八段に期待がかかるのですが、いきなり会長は荷が重いということでしょう。


数字うんぬんよりも、初の女性会長誕生という話題は新たな風を吹き込むことになります。女流棋士の待遇改善、出産・育児を含めたキャリアプランの支援といった課題にも取り組むことが期待されます。


その点では、同じく新任の理事となった千葉七段・瀬川六段にも期待したいところです。千葉七段は妻が女流棋士であり、共働きで子育てをしながら現役を続けています。瀬川六段はサラリーマンから棋士編入試験を経てプロ入りを果たした棋士であり、新たな風を吹き込んでくれるでしょう。

さて、今回最大の懸案とも言える「白玲」5期獲得でプロ棋士になれるという新制度についても議論が行われ、投票の結果賛成多数で可決されたとのことです。もともと賛否両論が渦巻いていましたが、棋士総会は夕方まで続いていたそうですから、活発な議論が交わされたものと思われます。


この制度が適用されると、「2強」とされる西山女流二冠(白玲3期)と福間女流六冠(1期)が近い位置となりますが、この二人の実力を疑う人はほとんどいないかと思います。主な論点としては以下となるでしょう。

  • (男性)棋士との対戦成績を加味せず、女流どうしの対戦成績だけで資格を得られること
  • 棋士編入試験を行わないこと
  • 他の女流棋戦との整合性


個人的な見解は以前にも記しましたが、現在の2強、もしくは次世代が台頭して3強・4強といった勢力図になれば、白玲5期という条件は相当厳しいものになるでしょうし、それを乗り越える実力があれば、おのずと棋士と遜色ないレベルになるだろうと思っていますので、とくに反対はしません。


ただ、その時の運に左右される制度だろうとは思っています。とくに問題なのは「1強」になった時ですね。西山・福間両氏には引き続き活躍して頂き、議論が繰り返されないよう女流全体のレベルアップを牽引していくことを期待しております。

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