セリエA、放映権の1社独占を容認へ。
イタリア・セリエAの放映権は、2008年に制定された「メランドリ法」によって、イタリア国内では1社による独占が認められてきませんでしたが、現在この法律の改正が議論されています。
改正案では、3年以内の契約であれば1社独占を認め、それを超える場合は当局の審査が義務付けられます。また、放映権料の分配先についても規定されており、少なくとも50%以上をクラブに対して均等に分配すること、下位カテゴリを支援することも義務付けられます。
さらに若いサッカー選手への支援や、サッカー以外の他のスポーツへの支援、さらにギャンブル依存症対策の基金への拠出といった案が盛り込まれているそうです。
この案について、セリエA側は事前の協議がなかったとして反発しています。声明では、すでに放映権料の50%は均等配分されており、また10%は下部カテゴリの支援に割り当てられていることを強調しています。
また、違法視聴によって年間3億ユーロ以上の損失があるとしており、その対策を求めています。違法視聴はリーグ・アンでも大きな問題となっており、DAZNがわずか1年で撤退した大きな理由となりました。
現在、イタリア国内ではDAZNとSkyの2社が放映権を保有しています。2024-25シーズンから5年契約で、放映権料は年間9億ユーロとされます。よって、1社独占が実現するのは早くても2029-30シーズンからとなります。
メランドリ法が国外向けの放映権にも適用されるかどうかは正直よく分かっていないのですが、日本においても1社独占ではない時期が続きました。現在の権利者であるDAZNは2018-19シーズンから権利を持っていますが、他社の撤退によって一時的にDAZNのみとなった時期を除いて、常にもう1社と権利を分け合ってきました。
- 2018-19: DAZN、スカパー
- 2019-20: DAZN、スカパー
- 2020-21: DAZN、(シーズン途中から)フジテレビ
- 2021-22: DAZN、フジテレビ
- 2022-23: DAZN、(シーズン途中から)SPOTV NOW
- 2023-24: DAZN、SPOTV NOW
- 2024-25: DAZN ※「複数年の独占配信」と発表
2024-25シーズンからの新しい契約で、DAZNはようやく「独占配信」であると発表しています。代理店のinfrontの契約が3年間なので、おそらくDAZNも3年契約と推定されます。独占が認められたのはセリエA側の意向なのか、それとも代理店側の意向なのかは明らかになっていません。
ちなみに現在開催中のクラブワールドカップなどでは、来シーズンもセリエAをDAZNで配信する旨が告知されていますので、こちらもあわせて補足しておきます。
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