スポーツベッティング、日本からの利用は6兆円超か。
スポーツ選手や芸能人がオンラインカジノを利用し、活動休止などの処分を受けるケースが増えています。日本で現在解禁が検討されているスポーツベッティングもオンラインカジノの一部であり、決して他人事ではありません。
日刊スポーツは「スポーツ違法賭博市場の実態」と題した3回シリーズの記事を掲載しています。以下にリンクを記しますので、ぜひ読んでみてください。
- 日本から海外事業者経由「賭け」6・5兆円もまだ「氷山の一角」か/スポーツ違法賭博市場の実態1
- 日本の競技結果対象で4・9兆円 海外事業者〝ただ乗り〟か/スポーツ違法賭博市場の実態2
- 八百長対策 各国は連携 日本も官民一体で検討急ぐ必要性/スポーツ違法賭博市場の実態3
この記事に出てくる数字は、一般財団法人「スポーツエコシステム推進協議会」が5月に発表した調査結果をもとにしていますので、こちらのリンクも記載します。
これによると、日本国内の在住者がスポーツベッティングを利用した賭け金の総額は6.5兆円と推定されています。一方で、国内・海外含め、日本のスポーツに賭けられた金額は4.9兆円と推定されています。
この金額はあくまで賭け金の総額ですので、実際には運営者の取り分(いわゆるテラ銭)をみる必要があります。スポーツベッティングのテラ銭は、データが豊富なメジャー競技だと4~6%、データが少ない競技だと7~10%が目安だとのことです。
日本で合法的に認められている競馬・競輪などの公営競技は25%、toto・BIGなどのスポーツくじは50%なので、それよりは低く設定されていますが、そのぶん常習性は高くなっていきます。ギャンブル依存症の対策は必須です。
日本在住者が海外のサイトを使うことで、そのぶん海外にお金が流出していると言えますが、その一方で海外在住者が国内のスポーツに賭けてくれるとビジネスチャンスにつながります。前述の4.9兆円に5%をかけると2,500億円程度の市場になります。その他にも、映像の使用権やデータを販売することで収入を得ることができるでしょう。ただ、現状はそういったビジネスは進んでおらず、無断で盗用されているケースも目立つとしています。
日本にはスポーツベッティングがなくても、オンラインゲームで広く採用されている「ガチャ」のシステムでは先進国です。いかにプレイヤーにお金を使わせるか、その技術だけは発展しているのです。逆に言えば、お金が手に入らないにも関わらず、なぜ日本人はあれだけガチャに夢中になるのかがよく分からなくなりますが・・・
オンラインゲームの大手であるミクシィは、オーストラリアのスポーツベッティング運営企業を買収し、本格的に事業に参入しています。スポーツでもFC東京や千葉ジェッツの経営に携わり、競馬メディア「netkeiba.com」を傘下に収め、競輪では「TIPSTAR」を運営。ゲームはどうしても当たりハズレがありますが、運営ノウハウをスポーツに、そしてベッティングに展開することで安定した利益を生み出そうとしています。
スポーツベッティングは、単に試合の結果に賭けるだけではなく、途中のプレーなど細かい単位で賭けが開催されます。そのライブ感覚が中毒性を生み出すわけですが、賭けの対象となる選手側にとっても「八百長」への誘惑を駆り立てるものとなります。
先日、オーストラリア・Aリーグに所属する日本人選手が八百長疑惑で逮捕されるという出来事がありました。まだ容疑が確定したわけではありませんので深くは語れませんが、もし事実であれば残念だとしか言いようがありません。
すでにSNSでは選手らに対する誹謗中傷が問題となっていますが、その裏にはお金を賭けている人たちの存在があるのかもしれません。そうでなくてもストレス発散のために悪口を書き込みたくなるというのは本能的なものです。もし、日本でスポーツベッティングが解禁されるのであれば、さらに誹謗中傷が増加することは確実であり、その対策も求められます。
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