米FOX、メキシコでFOXじゃない放送局を買収。

アメリカのFOXは、メキシコのスポーツ専門局・Caliente TVを買収すると発表しました。FOXはメキシコにおいて、自らが運営する無料のストリーミングサービス「Tubi」を通じてスポーツコンテンツを配信していましたが、これによって有料での放送・配信チャネルを獲得することができます。


Caliente TVは、メキシコで欧州CLの放映権を保有しています。FOXはプレミアリーグや、国内リーグ(リーガMX)でも1部の18クラブ中6クラブの権利を持っており、サッカーのコンテンツがさらに強化されることになります。

さて、ややこしいのがメキシコにはすでに「FOX Sports」が存在するということです。かつてディズニーがFOXのエンターテインメント部門を買収した際に、独占禁止法の観点から(ディズニー傘下の)ESPNと重複するスポーツ部門を切り離しました。メキシコのFOX Sportsは地元資本のGrupo Laumanに売却されています。


そのFOX Sportsは昨年から経営難に陥っており、放映権を次々と失っている状況です。アメリカのFOXが買収に動いたとも報じられていますが、実現していません。結果として、米FOXは他社と手を組むことにしたのです。事実上見捨てたと言ってよいでしょう。

メキシコFOXが失った放映権の中に、リーガMXのパチューカとクラブ・レオンがあります。この2クラブはオーナーが同じであり、現在開催中のクラブワールドカップにおいてはそれを理由にクラブ・レオンの出場権が剥奪されてしまったのでご存知の方も多いかと思います。


現在、この2クラブの試合はtubiで配信されていますが、メキシコFOX側は契約の優先権を主張して、米FOXを訴えるという手段に出ています。

すると今度は、米FOX側が「FOX」の商標を含んだライセンス契約がすでに切れていると主張。これが認められると、改名せざるを得ない状況に追い込まれます。また、米FOXはライセンス料の未払いがあるとして、メキシコFOXを提訴しています。

これらの件の続報なのですが、パチューカとレオンの放映権については米FOX側の勝訴となり、一時的に停止されていたtubiでの配信も再開されました。しかし、今度は停止されていた期間で損害を被ったとして、両クラブのオーナーがメキシコFOXを提訴する事態となっており、まさにカオスとしか言いようがありません。


今回のCaliente TVの買収によって、メキシコFOXは完全に包囲されたと言ってよく、「詰み」の状態のように見えます。こうなると、米FOXに買収され、Caliente TVと統合される道しか見えてこないのですが・・・どうなるんでしょ。

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