旧BT Sportが消滅へ。HBO Maxは復活へ。

イギリスの通信大手・BT(ブリティッシュテレコム)は、傘下で50%の株式を保有するTNT Sportsを、合弁相手であるWBD(ワーナーブラザーズ・ディスカバリー)に売却する方針だと伝えられています。


2013年にサッカー・プレミアリーグやラグビー・プレミアシップなどの放映権を獲得し、スポーツ部門「BT Sport」を立ち上げたBTですが、その歴史はおよそ13年で幕を閉じ、WBDへと引き継がれることになります。

放映権料の高騰は少なからずBTの経営を圧迫しており、事業再編のためにBT Sportの分離を決定します。一時はDAZNが買収に名乗りをあげましたが交渉は決裂。2022年2月、ユーロスポーツを傘下に持つアメリカのディスカバリーと合弁会社を設立することで決着しました。

その後、ディスカバリーもワーナーと合併しWBDとなります。2023年7月には、BT Sportが「TNT Sports」とサービス名を変更しました。TNTは旧ワーナー側のスポーツチャンネル名であり、アメリカとイギリスでブランド名を統一しています。

旧ワーナーのエンタメブランドである「HBO」は、2025年までSkyとコンテンツ供給契約を結んでいます。そのため、旧ワーナーのストリーミングサービスである「HBO Max」と、旧ディスカバリーの「discovery+」を統合した「Max」はイギリスに進出できない状態でした。


Skyとの契約が終了しだいMaxを開始するものだと思われていたのですが、昨年12月、WBDはSkyの親会社であるComcastとの提携を延長すると発表しています。その結果、Maxは2026年からイギリスでのサービス開始が認められたものの、Skyの契約者に対しMaxをセットで提供する方針を示しています。


これはこれで面倒な話を含んでいます。旧ユーロスポーツのコンテンツは現在TNT Sportsとdiscovery+で視聴できるのですが、今後SkyでMaxを視聴できることになれば、TNT Sportsのコンテンツの一部がタダでSkyに渡ってしまうことになるのですね。さすがに有料オプションとかにせざるを得ないとは思いますが、先行してMaxを提供している他の国とは取り扱いが違ってきます。

その「Max」なんですが、名前を「HBO Max」に戻すと報じられています。discovery+と統合する際にHBOの名前を冠さなかったのは、HBOが犯罪・暴力などを取り扱ったドラマを多く制作しており、大人のイメージがあったからだというのが表向きの説明なんですが、どこまで信じてよいのやら。


いちおうディスカバリーがAT&Tからワーナーを買収したという経緯がありますので、ディスカバリー側への配慮もあったのかな、と個人的には思ってますが、でもやっぱりHBOのブランド力は大きく、これを捨てるのはもったいないですよね。

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