メッシ出場停止が波紋。過密日程とオールスター問題

7月23日に開催されたMLSオールスターゲームを欠場したリオネル・メッシ選手とジョルディ・アルバ選手(ともにインテル・マイアミ)が、MLSから次節出場停止の処分を科されたと報じられています。


欠場の理由は明確になっていませんが、FIFAクラブワールドカップに出場したことによる疲労の蓄積が影響していることは想像に難くありません。

7月25日、FIFPRO(国際プロサッカー選手会)はオランダ・アムステルダムで開いた会合で、FIFAを強く非難する声明を出しています。ただでさえサッカー選手の「過密日程」は問題となっていますが、FIFAクラブワールドカップはそれに輪をかけるものでした。


ただ、過密日程の問題はFIFAとUEFAの利権争いにともなうもので、UEFAにも大きな責任があることは触れておく必要であります。CL/ELなどで週2試合をコンスタントに消化せざるを得なくなっていますし、UEFAネーションズリーグが始まったことで国際試合も親善試合から真剣勝負へと変わり、気が抜けません。

その一方で、オールスターゲームへの出場は義務であり、負傷などの理由なく欠場すればペナルティが課されることも当然でしょう。この点においては、アメリカとヨーロッパのスポーツ文化の衝突という観点からも読み解くことができそうです。


ちなみに日本のプロ野球(NPB)では、オールスターに選出された選手が辞退した場合には、10試合の登録抹消になるとのことです。(コロナ感染など一部例外あり)

オールスターを最初に開催したのはMLBであり、2リーグに分かれて普段は対戦機会がない選手たちが集まる「夢の球宴」となっています。ヨーロッパ的な視点だと、2リーグ制自体があまり理解できないでしょうから、オールスターの開催意義もよく分からないかもしれません。


MLSのオールスターは東西対抗の形式で始まりましたが、その後は欧州クラブを招待しての対戦となり、2021年からはメキシコ・リーガMX選抜との対戦となっています。そういう意味では、ますますオールスターってなに?という話にはなりそうです。


当然ながらオールスターで選手が負傷してはならないので、真剣勝負とはなりません。MLBはコンタクトが少ないのでまだ質を保っていますが、他の競技では性格が変化しつつあります。NFLのオールスター(プロボウル)はフラッグフットボールでの開催となりました。


その中でも少しでも真剣味を持たせようと工夫しているのが、NBAとNHLです。NBAはドラフトで決められた3チームに若手主体のチームを加えたミニトーナメント、NHLは「4か国対抗戦」が導入されました。とくにNHLは冬季五輪の前哨戦的な意味合いもあって盛り上がったそうです。

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