NPB、動画・写真のSNS投稿を規制緩和。
NPB(日本野球機構)は、今年2月に施行した「写真・動画等の撮影及び配信・送信規程」を見直し、9月1日付で改定すると発表しました。
写真についてはSNSへの投稿が試合中も含めて可能となりました。また、動画についても試合終了後、60秒以内のものを1回に限りではありますが投稿できるようになります。(インプレー以外については従来通り140秒以内)
同時にFAQも公開されました。規制緩和の背景として、SNSの投稿が「プロ野球観戦の新たな楽しみ方」につながっていることを認め、同時に放映権や肖像権などを侵害する迷惑行為を規制するとしています。
施行当初は、いわゆるスタジアムグルメの写真撮影が止められたといった話が出ていました。おそらく運用する側としても意思統一が図られていなかったものと思われます。
動画投稿の「60秒」の制限については、大半のプレーが収まる範囲であることを根拠としており、「放映権料を支払ってプレー映像を放送しているテレビ局や配信事業者などの権利を守るため」であることを明確にしています。
さらに、同日付で本規程に違反したYouTuberに対し、全球団のチケット販売を拒否し、球場への出入り禁止とする決定を下したと発表しています。自らのチャンネルの有料メンバーシップ会員に対して継続的にプレー映像を提供し、多額の広告収入を得たことが悪質と認定されました。
もっとも、この処分がどれだけの効力を発揮するかは今後見守っていく必要があります。Jリーグよりもチケットの販売チャネルが多いので、すべてをチェックするのは難しいだろうとは思うのですが、もし破られるようなことがあれば具体的な法的措置に踏み切るものと考えられます。
そもそも放映権とはなんぞや、という話もあるかと思いますので、以前書いた記事のリンクを貼っておきます。あくまでも複数の権利を総合した概念であって、法律で定義されたものではありません。実際のところは契約書を見てみないと分かりません。
ここでは放映権を購入したテレビ局などが自ら映像を制作することを念頭に置いていますが、球団制作の公式映像を使う場合は、その映像の著作権についても放映権の構成要素であると考えてよいかと思います。もちろん別々の権利ととらえてもよいのですが。
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