米FOXがメキシコFOXを提訴。ESPNは訴えられる。

以前紹介したネタの続報を取り上げます。アメリカのFOXとメキシコのFOX Sportsをめぐる紛争が新たな段階に突入したそうで、米FOXがメキシコFOXの運営会社を提訴したとのこと。


この話は、FOXのエンターテインメント部門がディズニーに売却されたことが発端となっています。FOX Sportsとディズニー傘下のESPNが事業として重複しており、独占禁止の観点から当局より重複部門の売却を命じられました。そのため、メキシコのFOX Sportsは地元資本の企業に売却されたのです。

しかし、昨年からメキシコのFOX Sportsは財政難に陥り、放映権を次々と失っている状況です。米FOXは「FOX」の商標のライセンス料が支払われておらず、今年3月にライセンス契約が終了したとして、商標の利用差し止めを要求しています。メキシコ側がそれに応じないため、ニューヨークの裁判所に正式に提訴することとなりました。

米FOXは、メキシコでスポーツ専門局のCaliente TVを買収しています。いわば、メキシコFOXに対して包囲網を作った形です。おそらく、時間をかけて兵糧攻めを行えば、やがてメキシコ側が白旗をあげそうな感じではあります。さらに、最近のニュースではMLBの放映権も米FOXに移動したとのこと。ここから逆転の目はあるんでしょうか。

もうひとつ取り上げるのが、ESPNが少なくとも2億ドルの損害賠償を求めて訴えられたという話です。提訴したのはSportsBubbleという会社で、開発しているアプリ「WatchSports」の企業秘密を侵害したとしています。


WatchSportsは、放送局の垣根を越えてスポーツ中継の情報を集約した「番組表」を提供するアプリです。SportsBubble社はESPNと提携し、WatchSportsからESPNに送客することで対価を受け取る、いわゆるアフィリエイト契約を結びました。その際にNDA(秘密保持契約)もあわせて結んでいます。

昨年9月、ESPNは「Where to Watch」という似たようなサービスの提供を始めました。これは便利だということで当ブログでも紹介したのですが、このサービスが果たしてWatchSportsのパクリなのか。


アイデア的にはさほど問題がなさそうにも思うのですが、技術的に何かしら盗用しているのであれば問題となります。SportsBubble社はスタートアップ企業ですが、ESPNの参入によって投資家が引き上げてしまったとのこと。大きな野望が巨大資本によって潰されたとあれば、必死になるのも当然かと思います。どちらが勝つかは正直分かりません。

日本では「スポカレ」が分かりやすいサービスかと思います。また、個人で開発されている「DAZN番組表」も便利です。正直、公式の番組表はUIが悪くなりましたよね・・・

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