MLBがロンドン開催断念。背景にW杯の影響

MLBは、来年6月に予定していたロンドンでの試合開催を断念したと報じられています。


会場となるロンドン・スタジアムはプレミアリーグ・ウェストハムの本拠地ですが、リーグ最終節がホーム開催になったことで野球仕様に改装する時間がとれなくなったとのこと。日程を後ろ倒しすることも検討されましたが、そうなるとFIFAワールドカップが始まってしまい、MLBとワールドカップ両方の放映権を持つFOXの枠が確保できないため、断念に追い込まれています。

そのFOXですが、すでに自国開催となるワールドカップの放送に向けて着々と準備を進めています。端的に言えば、広告枠のセールスが活発になっています。前回2022年大会では、スペイン語放送の権利を持つTelemundoと合わせて2億1360万ドルの売上があったそうですが、今度は試合数が増えたこともあり、30%以上の収入増をめざしているとのこと。


もし30%増を達成すれば、日本円に換算すると400億円以上となります。そして、FOXの広告枠のうち80%がすでに販売済みだそうです。

放映権料ですが、FOXが2018年と2022年の権利を獲得した際には2大会合計で4.25億ドルと報じられています。その後2026年まで契約を延長しましたが、その際の金額は明らかになっていません。ただ、自国開催ということで値上がりは確実であり、3億ドルは下らないかと思われます。そうなると、有料チャンネルなどの収入もあるとはいえ、もっと広告を売らねばなりません。

また面白いのが、Telemundoのほうが6億ドルとFOXよりも高い金額を支払っていることです。当時はスペイン語を話すヒスパニック系の方のほうがサッカー熱が高かったことが分かります。


2026年に向けて、アメリカにおけるサッカー関連の放映権は先物買いの傾向が目立ちました。実際にワールドカップが開催されると、そこでバブルが崩壊してしまうのか。よく見守っていきたいと思います。アメリカの放映権事情もそろそろ最新版をまとめないといけませんね。

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