「将棋倶楽部24」年内でサービス終了。
日本将棋連盟公式のサービス「将棋倶楽部24」が、2025年末をもってサービスを終了すると発表しました。インターネットを通じて対局が楽しめるサービスで、プロ棋士や奨励会員も利用する本格派でしたが、運営は「有限会社将棋倶楽部24」の代表者が細々と行っており、後継者が見つからないまま引退を決意されたとのことです。
将棋と言えばAIがどうしても注目されますが、強さに応じて相手を探すマッチングサービスは、ある意味元祖eスポーツと呼んでもいい存在です。どこに居ても対局ができ、強くなれる環境があるというのは、将棋の普及にも大きな貢献があります。
サービス開始は1998年とのことですが、これまでに何度も技術的な問題からリニューアルを行ってきましたが、それらを実質一人でやり遂げ、これだけの規模のサイトに育て上げたのは驚嘆です。長年継続してきたこと自体が本当にすばらしいと思います。
最大の競合と言える「将棋ウォーズ」からも敬意を示すコメントが出ています。将棋ウォーズは、今後将棋倶楽部24とのアカウント連携機能を提供し、将棋倶楽部24ルールの持ち時間で対局できる環境を用意するとしています。
将棋倶楽部24には「dcsyhi」という伝説のユーザーがいます。2002~2004年頃に登場し、驚異的な勝率をあげたdcsyhiは、その正体を明かすことなく消えていきました。まだAIも強くなかった時代なだけに、羽生先生ではないかという説も流れました。サービスが終了したら分かったりするのでしょうか。まぁ、謎は謎のままでいてほしい気持ちもありますが。
ちなみに囲碁のほうでは「GO-NET」という通信対戦サービスがありました。開始は1988年ですから、なんと昭和です。まだインターネットは普及しておらず、パソコン通信と呼ばれていた頃。WindowsもMacも、もちろんスマホもなく、MSXというパソコンで動作する「囲碁倶楽部」というソフトを通じて接続していました。
この「GO-NET」を運営していたのは、松戸市にあるアイ・システムという会社であり、現在はサービスを終了していますが、現在も会社があった場所は「松戸囲碁サロン」として営業を続けています。オンラインで時代を変えた会社が、いまはひっそりとオフラインで営業しているというのもなかなか粋な話です。
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