DAZN記者発表をいろいろ掘り下げてみる。

去る2/15に開催されたDAZNの記者向け発表会。じっくり読み込んだので、ちょっと異なる視点から掘り下げてみます。
●パフォームグループとDAZNグループが分離
これはすでに本国で発表済みのこと。
さらにパフォームグループの売却案も浮上しているとのことで、そこで得た資金をさらにDAZNにつぎ込んでいくのだろう。これは本気だ。殺るか殺られるかの戦いだ。

●複数のスポーツを楽しむ人は41%
前年より増えているとはいえ、まだまだ少ない。定額制を維持するためにはこれを50%のり60%なりに上げねばならない。
DAZNの価格設定は、1競技しか観ない人には高く感じるだろうし、複数観る人にはお得に見えるだろう。この設定自体がマーケティング戦略の一環となっている。
競技別の切り売りはまず考えられないけど、プレミアムサービスとして特別なコンテンツを配信していく戦略は考えられる。
先日のAbemaTVとの提携でもみられる通り、無料・有料・プレミアムの使い分けは最近のスポーツ中継におけるトレンドとなっている。

●ドラゴンズとグランパス、ファイターズとコンサドーレの相性のよさ
これ、もし上記の41%が分母であるとすれば驚異的な高さ。
海外サッカーなどレベルの高い試合を観たいというニーズもあるが、やはり地元のチームを応援したいというニーズは大きい。地域に根づいているスポーツはいわば祝祭空間なのだから。
願わくは逆から見た数字、すなわちJリーグ視聴者がプロ野球も視聴する割合もみてみたいものだ。

●ラグビーワールドカップのハイライトを配信
生中継の放映権はすでにNHK・日本テレビ・JSPORTSの3社で決まっているが、ハイライトについてはまだ潜り込む余地があったわけですね。
実はラグビーワールドカップの公式映像はIGBSという会社が制作することになっており、おそらくJSPORTSとDAZNはそこから提供を受けるだろう。NHKと日テレは独自制作が許されるのか、というのも注目ポイントだったりする。
●来季の配信予定にエールディヴィジとAリーグの名前が
現在エールディヴィジのライブ放映権はフジテレビNEXTにあり、DAZNでは堂安選手など日本人が出場する試合をハイライトで配信するのみ。Aリーグも同様に本田選手の試合をハイライト配信している。
それらが来季のラインアップにある。選手の移籍は頻繁なので、来季も日本人選手が所属している保証などない。なのに放映権を獲得したのはなぜか。そして、この権利はライブ配信なのか。
また、オランダやオーストラリアにDAZNが進出する可能性まで想像が広がってしまいますね。

●ライトファンとコアファンの差が大きい
これはまったくその通り。同じコンテンツでも無料と有料では10倍とも20倍とも言われる差がつくのが現実。
観たいものはお金を払ってでも観る。映画は普通にそうだし、Netflixなんかも徐々に受け入れられつつある。
スポーツについてはスカパーやWOWOWといった先駆者がいるけど、これは業界全体で取り組んでいく必要がある。放映権料の吊り上げ合戦の果てに共倒れという形になるのは最悪だ。


以上、こんなところです。

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