MLB、全米の視聴率好調。時短の成果か?

今年限りでMLBとの放映権契約を終了するESPN。先日行われたワイルドカードシリーズがいったん最後の全米向け中継となりました。しかし、皮肉にも視聴者数は大幅に増加。計11試合の平均視聴者数は前年比+64%の462.5万人を記録しました。また、レッドソックスvs.ヤンキースの第3戦は743.9万人で、ワイルドカードシリーズの新記録を更新しています。

レギュラーシーズンも好調でした。全米向けの中継を行ったESPN・FOX・TNTのいずれも平均視聴者数が前年を上回ったのです。

  • ESPN: 180万人 (前年比+24%)
  • FOX: 地上波 204万人 (前年比+9%)、有料(FS1) 32.4万人 (前年比+10%)
  • TNT: 46.2万人 (前年比+29%)


RSNを通じたローカル向け放送も、一部球団の離脱があったにも関わらず前年比+2%の視聴者を確保。MLB.tvは総視聴時間が前年比+34%の193.9億分となりました。


他のスポーツと比較して視聴者の高齢化が指摘されていたMLBですが、先のワイルドカードシリーズでは35歳以下が前年比+89%、17歳以下が+108%となっており、全体の+64%をさらに上回る水準となっています。

こうなった理由についてはもちろんひとつだけに絞ることはできませんが、時短対策を進めてきたことが効果をあげたものと考えられます。2020年にはコロナ対策の名目で延長タイブレークを採用。2023年にはピッチクロックが導入されました。


2023年の平均試合時間は2時間40分で、前年比24分の短縮という大きな効果をあげています。ちなみに2025年は2時間38分でした。ただ、これだけだと今年の視聴者数が増えた理由を説明できませんね。SNSの活用が進んだことを理由にあげる論評もあるようですが、引き続き専門家による分析を待ちたいところです。

3時間以内で終わるというのは結構大事な要素で、とくにアメリカだと国内で3時間の時差が生じるため、東海岸の試合が終了した後に西海岸の試合が始まるというリズムを作ることができます。もちろん、若い人ほど「タイパ」を求める傾向がありますので、それでも長いという考え方もありますが。


日本では時差はありませんので、そこまで時短の必要はないかもしれません。時間が長いほうがスタジアム内の飲食が売れるといった意見もあるようです。ただ、時短を進めることでナイターの試合開始を遅らせることもできるでしょうし、議論は必要かと思います。ちなみにNPBの平均試合時間は3時間11分となっています。(9回終了に絞れば3時間5分)

話を戻して、ESPNの契約はいったん切れますが、来年から再契約が結ばれる可能性が高まっています。ワールドシリーズ終了後にも新たな契約が発表されることでしょう。Netflixの参入も確実視されており話題いっぱいです。

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