英バスケ、FIBAから制裁。JBAの二の舞か?
FIBA(国際バスケットボール連盟)は、BBF(英国バスケットボール連盟)に対し、ガバナンスの欠如を理由に制裁を科したと発表しました。これにともない、男子代表チームの国際大会への出場が停止されました。
イギリスでは国内のトップリーグに関するごたごたが続いており、現在運営されているSLB(Super League Basketball)と、BBFが新たに設立しようとしているGBBL(the Great Britain Basketball League)の対立が激化していました。これは、かつて日本(JBA)が受けた制裁と似たような構図と言えるでしょう。
FIBAは問題を収拾するために介入し、タスクフォースを設立しました。これもまた日本のケースと類似しています。
2023-24シーズンまで、イギリスのトップリーグはBBL(British Basketball League)でした。しかし、BBLの資金面を支えていた投資会社・777 Partnersが経営難に陥ったことで、BBLもまた存続が難しくなっていました。
777 Partnersはスポーツにも積極的に投資しており、プレミアリーグ・エヴァートンの買収にも合意していました。しかし、傘下の航空会社が倒産し、777の経営も一気に傾いたのです。昨年10月、777は破綻しました。
リーグを存続させるべく、所属する9クラブが共同出資する形でSLBが発足。BBFはBBLへのライセンスを取り消し、SLBに3年間の暫定でライセンスを出すことを決定しました。
しかし、この3年を待たずしてBBFは新たに動きます。2026-27シーズンからリーグを運営する会社を入札で決める方針を打ち出したのです。SLB側はプロセスが不透明である反発し、入札への参加を拒否。結果的にアメリカの投資家グループが応じてGBBLの計画が発表されました。
現在、SLB側は法的措置に踏み切っています。GBBLは運営会社こそ設立されましたが、参入を希望するクラブがいない状態です。リーグ開始を1年延期すると発表していますが、実際に始まるめどはまったく立っていません。
なぜBBFが強硬に新リーグを推し進めようとしたのか。その背景はよく分かっていませんが、NBAのヨーロッパ進出計画が糸を引いているのでは、という説も。
NBA主導で新たに設立されたクラブがGBBLに加わり、またアメリカ資本から資金が入っていることになれば、SLBのクラブもついてくると考えたのかもしれませんが、いずれにせよ力関係がぐちゃぐちゃです。引き続き情報収集に努めたいと思います。
結局のところNBAが1強であり、他のリーグはどんぐりの背比べ。そんな中で、同様にリーグ分裂の危機を乗り越えて発足したBリーグはだいぶうまくやっている存在なのかもしれません。ある意味先輩として、イギリスでこれから起こることをウォッチしていく所存です。
ちなみにSLBはDAZNがグローバルで放映権を獲得しており、日本からも視聴可能です。
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