J2降格のアルビ、株式上場計画も崩壊か。
先日のJリーグの結果、アルビレックス新潟と湘南ベルマーレのJ2降格が確定しました。筆者は神奈川生まれのアルビサポなので、大変衝撃を受けていたりするわけですが、1サポーターにできることは限られており、結果を覆すほどの力は持っていません。
専門家でもないので、戦術や人事、組織運営といった話にも触れませんが、地元紙・新潟日報が始めた連載企画には当ブログ的に面白い記述がありました。有料記事なので細かくは触れませんが、クラブが将来的に株式上場を検討していたというものです。しかし、今回の低迷もあってその議論は霧散しています。
アルビは堅実な経営である反面、人件費が少ないことは指摘されています。年間の売上高は約40億円で、J1の中でも中位レベルですが、人件費は10億円以下でJ1では下から2~3番目の水準です。今季の補強もJ2でプレーしていた選手が中心であり、監督もJリーグ未経験者。期待はしつつも不安のほうが大きかったことも事実です。
人件費と順位は高い相関関係にあるというのが現実です。アルビは昨年も最終戦でようやく残留が確定したレベルであり、少しでも成績が下振れするとあっという間に降格危機に陥ることは明白です。それを選手の「目利き」や育成などでなんとかカバーしてきたのがここ数年と言えますが、毎年毎年継続できるものでもありません。
特定の親会社を持たず、地元企業が共同出資する「市民クラブ」のデメリットが出たとも言えます。赤字覚悟で大きな投資をすることができません。その代わり、赤字を出すことなく堅実な経営が続いてきましたが、それでは限界があるということでしょう。
とくにここ数年は資本を溜め込んでいるとも指摘されてきました。これは来る「秋春制」に向けて、雪の日でも練習できる施設整備ではないかという声もありましたが、先の新潟日報の記事を読む限りでは、それだけではなかったと考えるべきでしょう。
プロスポーツクラブは構造上利益をほとんど出すことができません。それゆえ、株式上場という手段が向いているかどうかは難しいところです。Jリーグでは2022年に上場を解禁しましたが、これまで実際に上場した例はありません。
上場のメリットのひとつとして、新規株式の発行によって資金調達が可能になることがあげられます。もちろん、やりすぎると株式の価値が下がるので何度も繰り返し使える方法ではありませんが。
アルビとしては従来の閉塞感を打破するための手段として上場を選択肢に入れていたのでは・・・と推測しますが、その前に現実を見せつけられることとなりました。いまはこの現実を受け入れざるを得ず、再起への道を見守るしかありません。
ここまで書いて最新のニュースが。Jリーグがようやく「降雪エリア施設整備助成金」の決議を行ったとのこと。時すでに遅し、と言うしかありません。
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