英2部シェフィールド・ウェンズデイが破綻。
昨日はJ2降格が決定したアルビレックス新潟の話題から、堅実な経営が仇となった側面を取り上げましたが、逆に背伸びをしすぎた無理な経営から自らの身を滅ぼしてしまった事例が、EFL(イングランド2部相当)のシェフィールド・ウェンズデイと言えるでしょう。
創設から120年近い歴史を誇るクラブは、10年前にタイの新オーナーに売却。資金をつぎ込んで昇格プレーオフまで進出するも、決勝で敗退しプレミア昇格を逃します。そこからはトラブルの連続ですが、オーナーはクラブを高値で売却しようと考えていたようで、問題をずるずると引き延ばし、最後は売却できずに破滅を迎えたのです。
破綻手続きの開始により勝ち点マイナス12のペナルティを受けましたが、選手やサポーターはこの破綻を歓迎しているようです。管財人のもとで改めて売却先を探し、再建をはかることになります。
この問題は長期にわたるもので、複雑なので今回はChatGPTに年表を作ってもらうことにしました。事実関係は合っているものと思います。※は筆者のほうで追加した箇所です。
年表:デジャポン・チャンシリ(Dejphon Chansiri)就任 → 現在(管理下)まで
2015年
1月:タイのコンソーシアム(チャンシリ氏率いるグループ)がミラン・マンダリッチからシェフィールド・ウェンズデイを買収。チャンシリのオーナー就任(以降クラブ経営を担う)。
2015–2016
大規模な補強投資とスタッフ・構成の変更を実施。2016年シーズンはプレーオフ決勝まで進出するも敗退。
※翌2016-17シーズンもプレーオフに進出するが初戦敗退。
2017–2019
経営方針の変化や監督交代が繰り返される(運営の不安定化が指摘される時期)。(長期的な「不安定さ」の始まり)。
2020
財務問題が表面化。EFLからの調査や制裁の話が出始め、選手・スタッフへの支払い遅延などが問題化。チャンシリ氏がクラブ資産に対して資金提供/担保設定を行ったことも報じられる。
※EFLから勝ち点マイナス6の制裁を受ける。
2021
給与支払いの遅延や選手が歩いて離れる可能性が報じられるなど、財務トラブルが継続。監督交代などクラブ内部の混乱も続く。
※2020-21シーズンはこの制裁がたたり、勝ち点3の差でリーグ1(3部相当)への降格。
2023
5月29日:リーグ1プレーオフ決勝で劇的な勝利により、シェフィールド・ウェンズデイがEFLチャンピオンシップへ昇格。
6月:昇格直後、監督ダレン・ムーアが退任(昇格直後の離脱が波紋を呼ぶ)。
9月:オーナーの資金提供停止を示唆する発言があり、クラブ財務への懸念が再燃。10月にはHMRC(税務当局)に関わる未払いなどで制裁やエンバーゴが出る事態に。
※エンバーゴ→移籍金をともなう選手獲得の禁止処分。オーナーは自ら資金を調達して処分は解除されたが、サポーターに寄付を求める発言が大きな反発を受ける。
2024–2025(前半)
財務赤字・出入金の不安定さ、ファンの抗議(ボイコットやピッチインベーションなど)や観客動員の低下が続く。複数の報道でクラブの累積損失や運営悪化が指摘される。売却の可能性について複数の買収希望者の噂や交渉報道が出る。
2025年10月(直近:決定的出来事)
2025年10月24日:チャンシリ氏がクラブとスタジアム会社を管理下(管理委員=Begbies Traynor)に置くために管理申請(administration)を行う/管理会社が就任。クラブはEFLの規定により即時12ポイントの減点処分を受ける見込みで、順位・リーグ残留に重大な影響。
同時に、管理人はクラブの安定化と「売却可能な形」への整備を目指し、既に「4〜5の真剣な買い手候補」が存在すると報じられている。クラブは売却・再建に向けたプロセスへ移行。
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