文科相、WBC放映権を嘆く。ユニバーサルアクセス権に着手か?
松本洋平文部科学大臣は、11日の会見で記者からの質問に答え、WBCの放映権をNetflixが獲得した件について、個人的な意見としながらも「大変衝撃を受けた」と発言しています。
TBSの記者が質問したということもあって、「民放各局には頑張って頂きたい」とコメントしつつも、放映権に関しては「民間企業間の契約なので」とコメントを差し控えました。
文部科学省はスポーツ振興の政策を担当し、傘下にスポーツ庁を置いていますので、こういう質問が出ることは歓迎なのですが、記者ももう少し食い下がってほしいなぁ・・・とも思いました。松本大臣は「国民がスポーツを体験したり見る機会が確保されることは重要」と述べており、ユニバーサル・アクセス権の議論を念頭に置いているものと推測されます。
2022年のFIFAワールドカップやアジア予選、そして今回のWBCと、大きな試合の放映権がインターネット配信に移るたびに、ユニバーサル・アクセス権の議論は持ち上がるのですが、その後全然火がつかないのが現状です。すでに毎日新聞や産経新聞は社説で取り上げており、最近では西日本新聞が10月13日(スポーツの日)の社説で取り上げています。
まぁ、簡単にはいかないであろうことは分かります。文部科学省・スポーツ庁のほかに、放送通信を管轄する総務省も関わってきますし、独占禁止との兼ね合いでは経済産業省などとも調整が必要になってくるでしょう。
また、もし対象に指定された大会の放映権をどこも買えないという事態が発生すれば、必然的に公共放送であるNHKが買わざるを得ません。税金に準じる存在と言える受信料を投入することになれば、国民の理解を得ることは大変です。
そして、従来は放送を対象としてきたユニバーサル・アクセス権は、ストリーミングの時代に対応できなくなっています。本場であるイギリスでもストリーミングを対象に加えることを検討していますが、まだ結論は出ていない状態です。
とまぁ、いろいろと難しい点をあげてはみましたが、そろそろ前に進むべき時ではないかとも思いますので、松本大臣、そして高市内閣には勝手ながら期待しております。
0コメント