YouTube TV、スポーツ限定パッケージを導入へ。

ディズニーとの紛争が終結し、ESPNなどのチャンネルが戻ってきたYouTube TVですが、和解の条件の中に、ディズニーが提供するチャンネルをばらして、独自のパッケージを販売することを認めるという項目が入っていると報じられています。


これにより、YouTube TVは「スキニーバンドル」(skinny bundle)と呼ばれる、チャンネルを絞り込んだ廉価版パッケージを自由に販売できることになります。ですから、スポーツ限定のパッケージも近日中に登場することが見込まれます。

2017年にサービスを開始したYouTube TVは当初月額35ドルという低価格を訴求し、CATVからシェアを奪ってきましたが、現在の価格は月額82.99ドルと倍以上になりました。もはや価格の優位性はありません。


最近の話題としては、NBCがスポーツチャンネル「NBCSN」を復活させ、最初の配信先としてYouTube TVと契約しています。YouTubeが素早く飛びついた理由がよく分かります。


当のディズニーも、FOX・WBDとの3社連合でスポーツに特化したストリーミング「Venu Sports」を立ち上げようとしていました。料金は月額42.99ドルと発表されており、YouTube TVにとって脅威だったに違いません。この計画は独占禁止法的に危うかったため消滅しましたが、YouTubeからしてみれば、自社でやろうとしたことを他社に認めないのはおかしいということになります。ごもっともな主張です。

YouTube TVの競合であるComcastとDirecTVもスポーツに特化したパッケージを投入しています。これもディズニーに認めさせたものです。これにCharterも含めた3社の契約にはMFN(最恵国待遇)という条項が含まれているとされますが、YouTube TVもMFNを要求した可能性があります。そうであれば、名実ともに4強時代の到来です。


そして、ディズニー傘下のFuboもまたスポーツ特化パッケージを出しました。Venu Sportsが潰れた以上、自社でも当然やるというわけですね。


  • Comcast(サービス名はXfinity): Xfinity Sports & News TV (月額70ドル)
  • Charter(サービス名はSpectrum): スポーツに特化したパッケージはなし
  • DirecTV: MySports (月額69.99ドル)
  • Fubo: Fubo Sports (月額55.99ドル)

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