【2025総集編】海外⑩: WBD失意の連続。NBA喪失から身売りへ
海外編の第10位はWBD(ワーナーブラザーズ・ディスカバリー)を取り上げます。WBDはついにNetflixに売却される見通しとなりました。業績が低迷していることが主な要因ですが、スポーツ界においては昨年NBAの放映権入札に敗れたことが大きいです。
2024-25シーズンをもって、WBD傘下のTNTによるNBA中継は36年の歴史に幕を閉じました。また、名物番組「Inside the NBA」は引き続きTNTが制作しますが、放送はESPNへと引き継がれています。
WBDとディズニー、FOXの3社合弁でローンチを計画していた「Venu Sports」がつまずいたのも大きな誤算でしょう。本来であれば昨年9月、フットボールシーズンの開幕とともに始まっていたはずのこのサービスは、他社による差し止め請求が通ったため延期に。そして、今年1月には開始を断念することとなったのです。
6月には会社の分割を発表。CATVなどの部門を分社化し、株式を上場させることで負債をカバーする計画でしたが、やがて会社の売却へと方針を切り替えます。Paramount、Netflix、NBCユニバーサルの3社による入札はNetflixに軍配が上がりました。
Netflixは総額およそ11兆円という巨額でWBDを買収する予定ですが、分社化したうえで元の会社を買収するため、TNTやCNNなどを含むCATVの部門は対象となっていません。買収完了後、TNTは新会社の傘下として運営される予定です。
さらにParamountが対抗策を発表しており、この問題は越年しそうです。ただし、Paramountの資金を支えていたトランプ大統領の娘婿が率いる投資会社が撤退したと報じられており、おそらく断念することになると推測されます。
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