【2025総集編】海外⑨: UEFAの代理店が米資本に

UEFAのクラブコンペティション(CL・ELなど)の代理店は、CL発足当初からスイスのTEAM Marketingが30年以上にわたって務めてきましたが、今年ついに交代。アメリカのRelevent Sportsが新たにグローバルの放映権販売を担当することとなりました。

Relevent社はこれまで欧州クラブのアメリカ遠征を多く請け負ってきました。今年のクラブワールドカップ、そして来年のFIFAワールドカップと、アメリカでは大イベントが連続し、今後サッカー市場の拡大が期待されるところです。


Relevent社は欧州リーグ公式戦のアメリカ開催を以前から計画しており、FIFAに対して訴訟を起こしたりもしました。それがようやく認められる状況となり、ラ・リーガの公式戦をマイアミで開催することを発表しましたが、抵抗に合いこの計画は断念しています。


ただ、オーストラリア・パースでセリエAの試合を開催する計画はまだ生き残っており、ミラノ・コルティナ五輪開催中の2月に実施される予定です。

【追記】本稿執筆後、セリエAの試合も中止が発表されました。

そして、いよいよ欧州CLなどの次期放映権(2027-28シーズン以降)の入札が始まりました。最初に欧州5大国での入札を一斉に行うという大きな変更が加えられています。また、新たに「グローバル・ファースト・ピック」と名付けられた、毎節1試合をグローバルで独占できる新たなパッケージが設けられました。


この試みは、従来の国単位での放映権売買を飛び越え、グローバルに展開する巨大なストリーマーたちをターゲットにしたものです。Netflix、Amazon、ディズニーなどが候補としてあがりました。DAZNもスポーツ特化型サービスとして名前があがっています。

発表された結果は少々意外なもので、イギリスとドイツでParamountが参入してきました。新たな業者を呼び込むという狙い自体はいちおう達成できたものと思われます。その一方で「グローバル・ファースト・ピック」の入札は不成立に終わっています。


まだまだグローバルで展開するというのは時期尚早なのかもしれません。スポンサーもグローバル企業が集結し、広告収入を得ないと高額の放映権料はとても賄えないでしょう。しかし、今後は国単位という壁が徐々に溶けていくことは確実な流れです。

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