【2025総集編】海外⑦: サウジ、DAZNに出資しボクシングを牛耳る。
今年もサウジマネーがスポーツ界を大きく揺り動かす年でした。
昨年12月には2034年のFIFAワールドカップ開催が決定。すでに国営石油会社のアラムコがFIFAの公式スポンサーとなっていますが、今年に入ってさらにFIFAとの関係を深めていきます。最近のニュースでは、開発途上国のサッカーインフラ整備に最大10億ドルの融資を行うとのこと。
クラブワールドカップの放映権を獲得したDAZNにも10億ドルとされる出資を行いました。クラブワールドカップの放映権料も10億ドルとされており、ほぼ肩代わりした感じです。DAZNは「FIFA+」との統合を進めていく計画ですが、その裏にはサウジの意向が見え隠れします。
DAZNがグローバルで展開しているコンテンツといえばボクシングですが、サウジのトゥルキ・アルシェイク長官はもはやボクシング界を牛耳る存在と言ってよいほどです。昨年は「ザ・リング」誌を買収し、メディアも手に入れました。
DAZNに対しては傘下の興行をパッケージ化し、従来のPPVではなく「DAZN Ultimate Tier」という新たなサブスクでの提供を促しています。「リヤド・シーズン」だけでなく「ザ・リング」名義でも興行が打てますので、毎月定期的に大型コンテンツを提供できるとの目論見です。
UFCとWWEを傘下に収めるTKOグループと提携し、「ズッファ・ボクシング」というイベントも立ち上げました。来年1月に最初の興行が行われるとのことです。
年末を締めくくるのは、井上尚弥選手らが出場する「NIGHT OF THE SAMURAI」です。これはザ・リングの名義による興行です。本稿執筆時点ではまだ試合前なのですが、この規模の興行が今後毎月のように組まれていくことになるでしょう。
サウジといえば、LIVゴルフとPGAの争いも続いていますが、こちらは進展のないまま1年が終わっています。トランプ大統領の仲介があるのでは・・・なんて話も出ましたが、肩透かしです。PGAとしては兵糧攻めの持久戦に持ち込みたいところですが、赤字を垂れ流しつつもLIVはへこたれません。その資金は無尽蔵なのか。
逆にPGAのほうが、2027年から試合数を減らすという観測も出てきています。NFLのプレーオフと重なる1月を避け、スーパーボウルが終わる2月半ばにシーズンを開始するというのが表向きの理由ですが、来年はまた大きな動きが出る年になるのでしょうか。
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