【2025総集編】国内⑧: ABEMA、黒字化で堅実路線。藤田社長は禅譲
2022年のFIFAワールドカップを全試合無料配信したABEMA。この時は赤字覚悟で飛び込み、視聴者を増やすための時間を購入したわけですが、それが功を奏し、11月に発表された通期決算でもメディア事業が黒字化を達成しました。
そして、藤田晋社長がサイバーエージェント社長を退き、会長に就任することも発表しています。プライベートでは馬主として大きなレースを勝ち、またオーナーであるFC町田ゼルビアは天皇杯を制するなどスポーツ界でも目立った1年でしたが、今後は経営を後進に引き継いでいきます。
2026年のワールドカップについては放映権獲得とはなりませんでした。というか、最初から動いていなかったのかもしれません。黒字化を達成した以上、無理なブーストは必要ないからです。替わって力を入れていたのが女子サッカーで、なでしこジャパンの試合を熱心に中継していました。2027年の女子ワールドカップに向けて動くのでしょうか。
ブンデスリーガの権利を獲得したのも大きな動きでした。全試合を有料で配信するDAZNと、毎節2試合を無料で配信するABEMAで棲み分けがはかられた形です。両社が協調していたのかは分かりませんが、リーグ側としては1社独占で販売するのてはなく、有料と無料で権利を切り分けることを選んでいます。
その他の話題では、モータースポーツのNASCARの配信を始めたことや、グリーンチャンネルと提携したことが大きな出来事です。とくにグリーンチャンネルについては、これまでインターネット配信向けにチャンネルを供給したことがなかったので、結構な驚きでした。藤田社長が競馬界でも受け入れられていることの顕れでしょうか。
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