【速報】NFLカンザスシティ・チーフス、カンザス州移転へ。

アメリカ・カンザス州の州議会は、誘致を進めているNFLカンザスシティ・チーフスの新スタジアム計画に対して、総費用の約70%を上限として債券を発行する決議を行い、可決されました。

これにともない、チーフスはカンザス州と正式に合意し、2031年をめどに新スタジアムに移転すると発表しました。新スタジアムはドーム型となり、建設費は20億ドル程度を予定しています。また、別に練習施設などを整備し、こちらも10億ドル程度の費用が見込まれています。どちらも商業施設やホテル・住宅などを合わせた複合施設となります。


プロジェクトの総額は30億ドル以上に達する可能性があり、そのうち70%が債券で賄われれば、20億ドル規模の発行となります。残りはチーフス側の負担になるとのことです。

この債券は「STAR」(Sales Tax and Revenue)と呼ばれるもので、日本の消費税にあたる売上税(Sales Tax)や酒税などを財源としています。すなわち税金なわけですが、移転によって地元に雇用が生まれ、多くの観光客が訪れることで、経済効果は年間10億ドル以上になるとそろばんをはじいています。

カンザスシティはミズーリ州とカンザス州にまたがる都市圏であり、チーフスの本拠地(アローヘッド・スタジアム)はミズーリ州側(ジャクソン郡)にあります。今回は近場での移転であり、チーム名に変更はありません。


同じ場所にはMLBカンザスシティ・ロイヤルズのスタジアムもあります。これらは2031年にリース契約が切れるため、数年前からカンザス州が誘致活動を行ってきました。ミズーリ州側も引き止めましたが、ジャクソン郡の住民投票で財政支援案が否決され、カンザス州側が有利となっていました。


今回の合意にロイヤルズは含まれていませんが、こちらも近いうちに決断を求められることになります。


スタジアムに関する問題は日本でもいろいろありますが、アメリカの場合はクローズドリーグなので、すでにあるチームを移転させるしかありません。今回は近場でしたが、遠方に移転した例もこれまで多数あります。そして、誘致のために税金を投じてスタジアムを整備することも当然のように行われます。そこは経済的な合理性で動いているわけです。

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