箱根駅伝、Netflix配信の未来はあり得るか。

東スポによると、大手動画配信会社の関係者による話として、複数の業者が箱根駅伝を配信したい意向を持っているとのこと。かりに独占配信となれば「年間50億円以上」で、10年以上の長期契約を想定しているそう。


3年前だったら「所詮東スポ」と一笑に付していたかもしれません。この記事の中でも「今すぐにどうこうではない」という言い訳めいた記述があり、信憑性は乏しいと言わざるを得ません。しかし、ここ最近で起こっている変化を見据えると、いつかその時がやってくるのでは?という想定は必要かと思います。


具体的に何年後とまでは言えませんが、ストリーミングが地上波に対抗できるだけの契約数を獲得し、さらに地上波の広告収入を奪っていく傾向が続けば、徐々に現実味を帯びてきます。

大きいのは、Netflixの独占配信が決まったWBCについて、日本戦の映像制作を日本テレビが手掛けると発表されたことです。Netflixには自前でスポーツ中継を行うノウハウがない以上、当然外部の業者と契約せざるを得ないわけですが、よりによって日テレが協力するのか・・・と。


箱根駅伝は日テレによって視聴率30%のお化けコンテンツに成長しています。映像制作のノウハウ、そして長年収集を続けてきた過去の映像や「今昔物語」など、その資産価値ははかりしれません。社員教育の場としても大きな役割を果たしています。


それだけのコンテンツを簡単に他社に渡すはずがないと考えるのが普通だと思いますが、必ずしも自社で放送しなくてもよいことが今回のWBCで改めて示されたと言えます。もちろん、それだけの対価が必要であり、個人的には年間50億円でも全然安いかな、とは思います。

あと、細かい話をすると、大会主催者である関東学連が2024年に一般社団法人となっています。それまでは単なる任意団体であり、それにも関わらず大きな金額を動かしてきたことには驚くしかありませんが、法人化によって組織運営が健全化すれば、今後さらなるビッグディールを行うこともできるでしょう。


それにともない、初めて貸借対照表が公開され、2025年3月末時点で9.3億円の資産を現預金として保有していることが明らかにされました。ただし、具体的な収支についてはまだ明らかになっていません。今後さらなる透明化が期待されます。

https://www.kgrr.org/pdf/about-kgrr/2024_financial_results.pdf

ちなみに箱根駅伝の放映権料ですが、2016年のFLASHの記事によると約1億円だとされています。番組制作費はすべて日テレが負担しており、約8億円とされています。


また、青山学院の原監督が語ったところによると、出場大学には300万円が強化費として配分されているとのこと。この財源は先の放映権料、そしてサッポロビールなどの協賛各社からのスポンサー料などで賄われていることになります。

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/04/07/articles/20200407s00041000178000c.html

もうひとつの可能性として、日テレがまったく関わらないケースも考えておく必要があります。中継自体は不可能ではないかな・・・といったところです。というのも、2021年の東京五輪では、海外チームによって自転車ロードレースの映像が制作されています。箱根駅伝の中継においては山岳区間の電波を基地まで届ける技術が重要で、日テレがこれをクリアできたからこそ現在の隆盛があるわけですが、数十年も経過すれば他者でもできるようになっていきます。


問題となるのは費用であり、大量のスタッフやカメラなどの機材を配置する必要があります。上記の8億円という製作費には、おそらく社員の人件費や社内の設備は含まれておらず、すべて外注するとなると軽く数十億円に達すると想定されます。


さらに、過去の映像も日テレから買う必要があると考えられます。Jリーグのように主催者側が映像の著作権を一括管理するといった仕組みはありません。


海外チームによって世界に配信された映像は、我々日本人からみても新鮮なものでした。改めて日本の風景美を認識するいいきっかけになったと言えますし、もし将来的に海外にも箱根駅伝の放映権を販売しようと考えるならば、外部からの視点を取り入れるのもありかと思います。

最後に、2022年7月の「週刊新潮」でも、DAZNが箱根駅伝を配信する可能性について記事にしています。まぁ、定期的にこういう話は出てくるということですね。ただ、現時点ではDAZNよりもNetflixのほうが現実味がありそうです。

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