法は国境を超えるか。インドで強力な海賊版対策

ストリーミングの違法視聴対策においては、先日イタリアで起こっている事例を紹介しましたが、イタリアよりもさらに積極的な施策を実施しているのがインドです。


「Dynamic+ Injunction」(動的差し止め命令)と呼ばれるもので、裁判所によってWebサイトやサービスに対して差し止め命令が下されると、同じ著作物をコピーした他のサイトに対しても同様に差し止め命令の効力が適用されるというものです。


業者にとっては、ひとつの違法サイトをつぶしたところですぐにミラーサイトが立ち上がり、対応が追いつかないという問題がありますが、Dynamic+ Injunctionの仕組みは自動的に対応してくれることになります。

この仕組みを編み出したのはデリー高等裁判所です。つまり、立法よりも先に司法のほうで始まっています。2023年8月には、映画会社6社が合同で提訴した判決において、現在公開されている映画にとどまらず、今後制作される映画についても同様のブロックを実施せよという命令が下されています。


直近のニュースでも、欧州CLなどの放映権を管理しているUC3が、デリー高等裁判所から動的なブロッキングを認める命令を勝ち取ったという話が出ていました。

判決が下された時点ではまだ存在していないサイトや作品に対しても効果が及ぶというのは、法的にはかなり画期的なことです。正直、筆者はまだぴんと来ていません。こういった判決が出ることから、インドでは同様の案件が頻繁に提訴されるようになったのだとか。

イタリアでCloudflareに対して出された罰金命令は、グローバルに対して開かれたサービスについて、国ごとにブロックをかけることが果たして適切かという問題が投げかけられています。インターネットは本来国境を超え、自由な情報の流通を促すものであるべきですが、実際には国という壁を崩すことができません。一部の独裁的な国家ではインターネットを制限していることはよく知られています。


もちろん、だからといって海賊版のコンテンツを自由に流してよいわけではありませんが、インドやイタリアが下した判断は、その国だけでなく他の国にも影響を及ぼすものとなっています。法の効果が国境を超えてよいものかどうかも、また大きな論点です。このあたりは、国際的に協調して対策を進めていくべきなのでしょう。

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