日テレ、WBC東京プールの国際映像を制作
日本テレビは、Netflixが独占放映権を獲得したWBCについて、計15試合の映像制作を受託したと発表しました。東京で開催される1次ラウンド10試合については、国際映像の制作も担当します。
Netflixとは「プロモーションパートナー」として大会の盛り上げに協力。地上波で開幕特番など、計9枠の放送を予定しています。ただし、生中継・録画を含めて、試合そのものの中継予定はありません。
テレビ局が放映権を持たず、ストリーミング業者の映像制作を受注することは過去にも例があります。Amazonで配信されているボクシング中継は、フジテレビや日本テレビの子会社であるAXONが担当しています。
また、Netflixでは一昨年と昨年に配信されたNFLのクリスマス開催において、CBSが制作を担当しています。自ら広告を獲得する必要がなく、一定の収入が得られるのであれば、自社での放送に必ずしも固執する必要はありません。
日テレはWBCの第1回大会(2006年)は試合を放送しましたが、以降はTBS・テレビ朝日に譲っています。前回大会でも黒字ぎりぎりだとされており、放映権料がさらに高騰した現在においては、むしろ美味しい案件が回ってきたと言えるかもしれません。
日テレが「メディアパートナー」になるという話は、昨年12月にすでに公表されています。なので、当ブログ的には既知の情報なのですが、Netflixに提供する日本国内向けの映像だけでなく、国際映像も制作するというのは新たな情報であり、大きなポイントかもしれません。個人的にはFOX SportsとかMLB Networkが担当するんじゃないかと勝手に思ってました。
というのも、国際映像の制作を発注するのは、第一義には主催者であるWBCIであり、Netflixではないからです。実際には東京プールの興行主である読売新聞社の意向も反映されると考えられ、TBS・テレ朝が外れたとなれば、当然日テレが有力候補に浮上します。昨年のMLB開幕シリーズを担当した実績もあります。
Netflixには、スポーツの映像制作を自ら行うノウハウはまだなく、NFLと同様に外注することは決まっていたものと思われます。国際映像に日本語コメンタリーを載せただけのミニマムな体制になるかとも思われたのですが、日テレと組めるのは大きなメリットとなります。
NetflixはWBCのキャッチコピーを「メークドラマ」としました。読売の許可がないと使えないフレーズのはずです。外野からみると、読売と日テレがNetflixの「下請けに甘んじた」「軍門に下った」ように思われるかもしれませんが、実際のところそんな単純な構図ではなく、読売サイドも結構したたかに振る舞っているように思われます。
日テレで放送される特別番組も、Netflixによる枠買いだと考えてよいかと思います。そこにはNetflixのCM、そしてNetflixが獲得したスポンサーのCMも流されると想定され、日テレは営業努力をしなくてよいわけです。また、試合の中継はできなくても、ハイライトなどの映像を優先的に使えるのであれば、他局との差別化もできます。
Netflixの配信でもCMが流れることは、これまで何度も触れてきた通りです。今後は地上波のCM予算をNetflixが狙ってくるシナリオが充分予想されますが、この件で日テレがとった姿勢は共存への道なのか、あるいは取って食われるだけなのか。勝負はむしろWBCが終わってからでしょう。
【追記】
Netflixは、WBCのアンバサダーに渡辺謙さん、スペシャルサポーターに二宮和也さんを起用したと発表しました。プロモーションも本格化してきましたが、その中でNetflixらしさをどう出してくるのでしょうか。
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