Netflix、WBCの視聴者数を公表
NetflixがWBCの視聴者数データを公表しました。全47試合の通算が3,140万人、もっとも視聴者数が多かった日本vs.オーストラリア戦が1,790万人としています。
この調査は、テレビ視聴率を測定しているビデオリサーチとの共同で実施されています。結果を公表するかどうかは両社の判断に委ねられますが、一部とはいえ公表に踏み切りました。
この視聴者数ですが、定義はプレスリリースの最後に書かれており「ビデオリサーチによる推計データを基に、一人の人が一つ以上のデバイスで視聴した場合を含む延べ接触人数」となっています。また、試合終了後24時間以内に見逃し配信を視聴した人もカウントされています。
この解釈が実に難しい。というか、具体的になにを言っているのかよく分からないというのが正直なところです。ただ、ビデオリサーチが絡んでいる以上、テレビの(個人)視聴率とは単純に比較はできないものの、なるべく近い指標になるよう工夫はしているものと思われます。
一人が複数台のデバイスで視聴する場合は、おそらく重複カウントになるのでしょう。逆に、テレビを通じての視聴など、ひとつのデバイスを複数人で視聴するケースもあり、その場合は人数分カウントするものと思われます。このデータでは、テレビでの視聴が約85%だったとしていますので、視聴者数よりもデバイスの台数は少なくなりそうですし、契約数はさらに少なくなるのでは。
それでも通算で3,140万人が視聴したということは、それに見合うだけの契約数を獲得していたことになります。日本のNetflixは、2024年の上半期の時点で契約数が1,000万件を超えたと発表されており、WBCまでにはさらに数百万件上乗せされていたと考えてよいかと思われます。
いちおう別角度からのデータも紹介しておくと、今年2月のNetflixの利用者は1,200万人と推定されており、前年から36%増加しています。新規入会して、何かしら動画を視聴した人が多いのでしょう。これはあくまでアクティブの利用者数ですから、あまり利用してない人をあわせると契約者数はさらに増えます。
そこに3月に入ってからの駆け込みも含めると、WBCの開催期間中の契約者は少なくとも1,500万件はありそうで、2,000万件に達していてもおかしくありません。もちろん、今後解約も増えてきますので、どれだけの人が残るのかはまだ分かりません。こちらのデータはさすがに出てきませんよね・・・
前回、2023年のWBCでビデオリサーチが公表した数字をみてみると、平均視聴人数がもっとも多かった試合が3425万人、到達人数がもっとも多かった試合は6234万人となっています。前者は番組全体を通した平均であり、後者は1分以上視聴した人を推計した値です。
今回のNetflixの数字と比較するならば、定義的には到達人数のほうが近いかと思います。もちろん、テレビは生中継のみの数字なので単純比較はできないのですが、日本vs.オーストラリア戦の1790万人という数字からアーカイブのみの視聴者を差し引くと、前回の1/4以下にとどまったという評価になりそうです。
個人視聴率では、WBCの日本戦が開催されている時間帯で5%の押し下げ効果があったとされています。前回の個人視聴率は27~28%であり、WBCはその1/5程度という計算ですが、テレビとの「ながら視聴」も考慮すると、「1/4以下」という推測は的外れではないと思われます。
1/4だから失敗なのか?と問われると、必ずしもそうではありません。視聴率調査を行う主な理由は、広告効果を測定するためです。ですから、この数字はスポンサー企業への大きなアピールとなります。データが取れたこと自体が大きな価値です。
今回のWBCは、日本市場でサブスク+広告のハイブリッドモデルが成立するかどうか、いわば実験的な要素を含んでいます。テレビよりも視聴者が少なかったとしても、その視聴者はWBCに強い関心を持っている人たちですから、スポンサーからみれば広告効果が高い層です。Netflixからみれば、高い単価で広告枠を販売することができます。
「渡辺パイプ」の成功例もありますが、今後Netflixに広告を出稿したいと考える企業が増えてくれば、長期的に放映権料を回収することは難しくありません。このあたりは、2022年のFIFAワールドカップを獲得したABEMAと方法論としては同じことになります。
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