ポルトガルリーグとFIFA+に影響を与えた破綻クラブ

読売新聞は、サッカーのポルトガルリーグが2028-29シーズンから放映権の一括管理に移行すると報じています。


ヨーロッパではリーグによる一括管理が主流となっており、クラブによる個別管理となっているのは、筆者が知る限りだとポルトガルのほか、ギリシャやキプロスといった小規模な国に限られます。ポルトガルほどの規模の国がいまだに移行していなかったわけです。

この話については当ブログでも以前から追いかけていましたので、そちらの記事をあわせてご参照いただければと思います。むしろ、なぜ読売新聞がこの話題を取り上げたのか。その背景のほうがおおいに気になるところです。

さて、この読売新聞の記事の中で面白いなと思ったのが、ほとんどのクラブが一括管理に賛成したきっかけとして、ボアヴィスタFC(記事ではボアビスタと表記)の経営危機があったとしているところです。


ボアヴィスタFCは2000-01シーズンにポルトガル1部リーグ(プリメーラ・リーガ)を制覇。ポルト・ベンフィカ・スポルティングが「ビッグ3」を形成するリーグに風穴を開けました。しかし、その後紆余曲折を経て、2024-25シーズンは最下位となり2部降格が決定。その後、クラブは破産宣告を受け、5部リーグ相当にまで落ちてしまったのです。

https://en.wikipedia.org/wiki/Boavista_F.C.


名門クラブの凋落が他のクラブに危機感を与えたことになりますが、実はボアヴィスタFCはそれ以前にも、2029-10シーズンに3部へと降格したことがあります。その際にも放映権契約がすべて切られてしまい、窮地に陥ったとのこと。


それに心を痛めていたのが、ペドロ・プレサ氏(Pedro Presa)です。当時スイスに住んでいたプレサ氏は試合を観る手段を絶たれてしまい、自らサッカーの試合を手軽に配信できるプラットフォームを構築します。それが、現在の「FIFA+」のルーツにあたる「Mycujoo」でした。

ボアヴィスタFCは、その波乱の歴史の中で、ポルトガルリーグに大きな影響を与え、さらに世界中の映像配信にも影響を与えていたことになります。クラブの歴史は途絶えたとしても、その魂は残り続けます。


Mycujooはその後、Eleven Sportsに買収されます。そのElevenはDAZNによって買収されました。プレサ氏は現在、Seadog Capitalという投資会社を設立しています。この会社の名前もそのうち見かけるかもしれません。

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