FIFA、米FOXの放映権剥奪を狙うも断念か

アメリカではFIFAワールドカップの放映権をFOXが獲得していますが、FIFAはこの契約を取り消そうと画策していたと報じられています。しかし、さすが訴訟社会のアメリカと言うべきか、崩すことはできなかったそうです。

FIFAとFOXの契約が結ばれたのは、いまから11年前の2015年です。すでにFOXは2018年と22年大会の契約を結んでいましたが、さらに26年まで延長されています。


この時点では26年大会の開催国はまだ決定していませんでした(2018年に決定)。FOXの放映権料は4.85億ドルと報じられていますが、FIFAとしては実際には10~15億ドルの価値があると試算しており、大層ご不満のようです。

この10年ほどで放映権をとりまく環境は大きく変わりました。物価高もありますが、ストリーミングの台頭はそれ以上に放映権料を高騰させました。2027年と31年の女子ワールドカップについては、アメリカでNetflixが権利を獲得しています。


ですから、最大の疑問はFIFAがなんで10年以上先の権利を売ってしまったのか、ということになります。長期契約は安定をもたらす一方で、こういった値上がりについていけなくなります。

その背景として、2022年のカタール大会が冬季開催になったことが影響していると報じられています。FOXが2022年大会に支払う放映権料は4.25億ドルだったそうですが、開催時期が変更されたことでFOX側が減額を要求したとのこと。11~12月はNFLなどのシーズンと重複しており、FOXとしては旨味が薄れてしまいます。

そこでFIFAは、2026年大会の権利を格安で提供することで「手打ち」をはかったとのこと。もし法廷闘争に持ち込まれれば、FOX側はFIFAの汚い部分を暴露する恐れがありました。実際、FOXよりもESPNのほうが高い金額を提示していたとのことで、にも関わらずFOXに決まったことには裏があるようです。

当時ESPNの代表だったジョン・スキッパー(John Skipper)氏は、FOXがFIFA幹部に賄賂を贈っていたのではないかと指摘しています。これが事実かどうかは不明ですが、FIFAがクリーンな組織ではないことは周知の通りであり、FOXはFIFAの弱みを握っていることは確かでしょう。


ジョン・スキッパー氏はESPNを離れた後、Perform Group(現在のDAZN)に参画。2022年まで役員を務めています。そのDAZNは、最近になって「FIFA+」をサービスに取り込み、FIFAとの関係を強めています。誰が敵で、誰が味方なのか。まぁ、いろいろと複雑ですね。

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