FIFA会長、W杯64か国への拡大意向で世界困惑
今回のFIFAワールドカップは、参加国が32→48か国に拡大されましたが、FIFAのインファンティーノ会長はさらに64か国に拡大したいとの意向を示し、波紋を広げています。
今回の総試合数は104試合で、前回の64試合から大きく増えました。64か国参加となれば、さらに128試合に増えることとなり、前々回から倍増ということになります。
当初、48か国開催が決まった時点では、グループリーグを3か国ずつにすることで、総試合数を80試合に抑える予定でした。しかし、各国の試合数が最低2試合に減ることや、日程の不公平などの理由から、従来通りの4か国ずつに戻されています。
それが許されたのも、アメリカ含む3か国共催だったことが大きいでしょう。スタジアムの数もそうですが、アメリカ国内だけでも時差が最大3時間あり、スケジュールが組みやすかったと考えられます。
2試合同時キックオフとなるグループリーグ最終節を除き、時間が重複することはありませんでした。もし128試合となると、1日の試合数をさらに増やすか、日程を伸ばすしかありませんが、これ以上日程を伸ばすのは現実的ではありません。
その意味で考えると、次回2030年大会はスペイン・ポルトガル・モロッコの共催であり、時差はありません。ワールドカップ100周年を記念して、開幕戦のみウルグアイ・アルゼンチン・パラグアイで開催することになっていますが、どんなスケジュールを組むつもりなのでしょうか。
放映権料の話で言えば、今回は試合数が増えたことによりFIFAも強気の交渉が目立ちましたが、その反面アジアでの販売は苦戦しました。参加国が増えることで、初出場が期待される国には当然高額で販売したいところでしょう。
48か国への拡大の際にも、中国を念頭に置く声が大きかったのですが、中国はアジア最終予選で5位に沈みました。アジア枠が最低13か国にまで増えないと救えません。その一方で、4位に入ったインドネシアは有望と言えるでしょう。
人口が多く、若者の割合も高い東南アジアは今後が期待されるエリアですが、まだまだ若者の所得水準は低く、ストリーミングの違法視聴も蔓延しており、甘い考えで儲かる市場ではありません。
日本にとっては、本戦出場がほぼ確実になる一方で、予選の空洞化が懸念されるところです。DAZNとAFCの放映権契約は2028年までであり、2029年からはまた新たなサイクルに入りますが、DAZNとしてもあまり高値では買いたくないでしょう。
2029年からのAFCの代理店についても入札が進んでおり、現在の代理店であるAFG(Asian Football Group)と、サウジ資本のSelaが共同で獲得するのではと報じられています。中東色がますます濃くなると、交渉面でも厄介になりそうです。
https://www.sportbusiness.com/news/exclusive-afg-sela-preferred-afc-bidder/
話を本戦に戻すと、これまで高値で放映権を購入してきた常連の国にとっても、これ以上の高騰は避けたいところです。試合数が増えたところで、日程が伸びなければあまり意味がありませんし、グループリーグの実力差が拡大すれば、大会そのものの魅力を損なうことにもなりかねません。
ただ、アメリカではすでに次回以降の争奪戦が始まっており、大きな値上げが期待されています。これらの要素を加味して、全体で拡大するプランをFIFAは描けているのでしようか。
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