DAZN、相次ぐ「編成の都合」。ボトルネックはどこか?
ここ最近で、DAZNが「編成の理由」により配信予定を変更することが増えている。
●4/13(土) 自転車「イツリア・バスクカントリー」が英語コメンタリーに変更。(後に日本語入りハイライトを配信)
●4/14(日) Bリーグ8試合のライブ配信を取り止め。(後日録画配信)
●4/14(日) ラグビー「ワールドラグビーセブンズ」の配信開始時間が変更。
【お知らせ】
— DAZN ダゾーン ヘルプ (@DAZN_JP_Help) April 12, 2019
今週末のB1リーグは4/12(金)、13(土)の全試合ライブ配信予定です。
14(日)の全8試合は、編成の都合上ライブ配信はございませんが、試合後に各試合のハイライトを配信します。又後日フルマッチを録画配信する予定です。
※編成上、配信内容が変更になる場合がございます。ご了承下さい。
当然ながら週末は試合が集中する。ライブ配信を最大の売りとするサービスなだけに、国ごとの時差は関係ない。それゆえにキャパシティの問題から一部のコンテンツがはじかれることはどうしても起こりうる。もちろん当該競技のファンにとってはたまったもんじゃないが。
編成の判断を行うのはおそらくイギリスの本部側だろう。日本では準備していながら直前になって言い渡されることもあるらしい。
先日、直前になって録画配信に変更された自転車のヘント~ウェヴェルヘムの件では、実況解説はすでに手配済み。日本にはライブ映像が送られており、ライブ配信と同じ要領で収録を行ったという。
つまり、日本には映像が届いている。また、東京のDAZNのスタジオにはブースが10個以上用意されており、足りないということもない。では、どこがボトルネックなのか想像してみましょう。
※ただ、この理屈だとラグビーも日本語コメンタリーなしでライブ配信ができるはずなので、これについては別の理由があるのかもしれません。
DAZNの映像はいったんイギリス・リーズにある本部に集められ、そこからサービスインしている各国に向けて配信される。このことを踏まえると、以下のパターンに分類できる。
※DAZNの本部は今年1月にロンドンからリーズに移転しました。
●日本国内の試合
映像提供元→東京→イギリス→ユーザー
※日本語コメンタリーは最初から入っている場合とDAZNのブースで入れる場合あり。
●海外の試合(日本語コメンタリーあり)
映像提供元→イギリス→東京→イギリス→ユーザー
●海外の試合(日本語コメンタリーなし)
映像提供元→イギリス→ユーザー
※配信開始時の画面の字幕が英語になっているものはこれと考えられます。(YOUR EVENT IS COMING UP)
Bリーグは1番目、自転車とラグビーは2番目に該当する。両者の共通点は「東京→イギリス」への送信が発生することで、イギリス側にそれを受け入れるキャパシティが不足しているのでは?というのがひとつの仮説。
自転車ではヘントでのクレームに対応したのか、3番目に切り替えてなんとかライブ配信を死守したと考えれば辻褄は合う。
とくにプレミアリーグなどの欧州サッカーは複数の国のDAZNで配信されており、各国でそれぞれの言語によるコメンタリーが付けられるはず。それを踏まえると、他国では配信されていないBリーグや自転車の立場が弱くなるのは否めない。
この仮説が当たっているとするならば、今後DAZNが他国に進出するにあたっては言語圏を充分に考慮する必要があるし、またイギリス集中からトラフィックを分散させる必要もある。まぁ、こんなことはあえて指摘しなくてもDAZNのエンジニアがいちばん分かっているはずですが。
そのうえで今後の展開を考えると、やはり今年からサービスインしたスペインが鍵になるのでは。同じく近日サービスインするブラジルはポルトガル語なので、その周辺の中南米諸国はターゲットになり得るでしょう。
どんな競技にも熱心なファンがいて、日本のDAZNもそれを汲み取ってコメンタリーを配置しているのですから、その期待を裏切ることがないよう、イギリス本部には日本に伝わるこの言葉を贈りたい。
「喝!」
※本稿の掲載日は日曜です。
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