(元)世界最強リーグ・セリエAに相次ぐ苦難。
令和になったのに平成を振り返る記事に戻ってしまうのですが、「セリエAダイジェスト」を取り上げた記事が出ておりました。
当時若手だった青嶋アナの名調子。競馬では常に短距離戦を任される早口ぶりが心地よい。三宅アナが「めざましテレビ」に転じたいまもスポーツ実況を続けているのは、(一部批判もあるようですが)立派なことです。
当時のキャッチフレーズが「世界最強リーグ」。しかしセリエAはその後徐々に没落していきます。審判買収事件などもありましたが、当ブログ的にはやはり放映権料においてプレミアに差を開けられてしまったことが大きいです。
その背景には1995年のいわゆる「ボスマン判決」もあるわけで。大晦日にやった重大ニュース企画では放映権と直接は関係ないため取り上げませんでしたが、間接的には大きな影響を与えております。
踏んだり蹴ったりだったのが、国外向けの放映権を例のMP&Silva社に渡してしまったこと。もともとイタリアの会社だったこともありますが(その後中国資本に買収)、その後未払い騒動に発展してしまいます。いくら損失を被ったのか現時点ではまだ判明しておりません。
ということで、今シーズンから代理店はIMGに移動したのですが、そのIMGとも揉め事が発生しており、訴訟に発展する可能性が出ているとのこと。
問題になっているのは、国外在住のイタリア人向けにイタリア語で放送している、いわゆる「国際放送」というもの。公共放送であるRAIが毎節3試合の権利を購入したのですが、これがIMGを通してではなくリーグから直接購入したようで、リーグに対してクレームが入ったとのこと。
公共放送の使命のひとつに国外在住の国民に情報を提供することがあります。NHKでも「NHKワールドプレミアム」というチャンネルがあって、各国のCATVなどを通して提供されています。そこではニュースに始まり大河ドラマや紅白歌合戦などの娯楽コンテンツも放送しています。
さて、これらの権利をどのように処理しているか…ですね。ドラマなどであれば出演者と事前に契約して処理するのでしょうが、スポーツの場合はニュースなどで取り上げることもあり、その場合には権利の都合でそこだけ映像が使えない、ということもありがちです。
公共放送という文字通り公共的な性質を持つコンテンツについて、あまり商業主義を持ち込んでほしくないなぁ…と思うのですが、もし今後IMGとの訴訟になってリーグが敗訴するようなことになれば、リーグにとってはさらなるダメージを負うことになります。
公共性と商業主義。この問題は今後も、とくにオリンピックにおいてしばしば登場することになるかと思いますので、折に触れて追いかけることにします。
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