「Breaking2」再び。マラソン2時間切りにイネオスが支援。

一昨年(2017年)にナイキが実施したプロジェクト「Breaking2」。最高のランナーと最高の条件を揃えることでマラソン2時間切りを目指した。
参加したランナーのひとりがリオ五輪金メダリストのキプチョゲ選手。そんな彼を長期間にわたって拘束したこと自体がすごい。結果は2時間0分25秒とわずかに及ばなかったが、その後彼は公認の世界記録も達成している。

そんなキプチョゲ選手が再度2時間切りに挑むことが発表された。今回スポンサーとなったのはイギリスの石油化学会社・イネオス。つい最近、自転車ロードレースのチームスカイの新たなメインスポンサーに就任したあの企業だ。
ナイキ「Breaking2」はいわゆるオウンドメディアを活用したマーケティングの成功事例としても取り上げられる。コンテンツを自前で制作し、長期間にわたってプロジェクトの進捗状況を公開。そして、チャレンジ本番の様子はFacebook上でライブ配信された。

キプチョゲ選手らが履いていたシューズはナイキが総力をあげて開発した「ヴェイパーフライ」。いま、このシューズが世界のマラソン界を席巻しているのはご存知の通り。
イネオスはとくに道具を提供するわけではないが、理想の条件を求めて場所やスタート時間を設定するという点では「Breaking2」と同じ。よってテレビ中継との親和性は高くなく、同様にオウンドメディアによるライブ配信となる可能性は高いと思われる。

では、イネオスはどんなマーケティング効果を狙っているのか。一説には環境にやさしいイメージを持たせたいのでは?とも言われている。
大量の石油を消費するイネオスは評判が悪く、チームスカイ改めチームイネオスが参戦した自転車のツール・ド・ヨークシャーでは環境保護団体によるデモが行われたという。最近マイクロプラスチックによる環境問題が騒がれているのも関係しているだろう。

オウンドメディアの活用の先輩としてはレッドブルもおなじみ。イネオスは今後スポーツに力を入れることによって第二のレッドブルを狙ってくるのかもしれない。今後どんな分野に手を突っ込んでくるのか、その動きに大いに注目したい。

※公式サイトへのリンクがうまく貼れないので以下にURLを記します。
https://www.ineos159challenge.com

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