東京五輪のSNS問題、放映権の絡みで炎上。

東京五輪のチケットに書かれている制限事項について、一部のところで疑問の声があがっているとのこと。

きっかけとしては以下の朝日新聞の記事に「放映権料を支払っているテレビ局の利益を守るため」という文が入っていることによる。
本来ならば有料記事のため全文読んでから判断したいところなんだけど、無料で読めるところにこんなことが書いてあったら、もともと東京五輪に不満を抱いてる人たちに格好の燃料を与えているようなもの。
放映権というものにすっかり毒されてしまった筆者としては「利益を守る」のはごく当たり前のこととしか思えなくなっているので(^-^; 結局のところこの問題というのは運営者がどこまで撮影やSNSによるシェアを認めるかという裁量の範囲を問うものとなる。

法律的な点については以下の記事が参考になるので紹介しておきます。論点としては、主催者側が差し止め請求をできるか、というところです。損害賠償請求しかできないのであればやられ損になりかねませんから。
映画館やコンサート会場で撮影するのは著作権侵害につながるというのは世間的に認められてるでしょうし、博物館や美術館についても、展示物については著作権が発生しない(または切れている)ものが多いですが、それでも撮影禁止が受け入れられてます。こちらは簡単に言えば営業妨害ですからね。

ならば、なぜスポーツイベントだけがここまで批判されるの?という疑問が出てきてもよいような気がしますが、「著作権を譲渡せよ」というパワーワードの前には押し潰されてしまいますね。

こういう問題で「放映権」という言葉が盛り上がってしまうのは、当ブログ的には好ましくない事態です。じゃあ、具体的に放映権ってなに?と問われると、実は当の筆者も完全に理解しているわけではなく(^-^;

放映権は明確な定義があるものではなく、過去の判例の積み重ねなどで形成された複合的なものであり、具体的な内容は契約によって個々に決まりますので、一概にこうだとは言い切れないのです。

ただ、一般的なものとしては、大会主催者が持つ施設管理権に基づいて撮影や取材の許可を得ること。出場選手の肖像権を利用すること。制作した映像の著作権や公衆送信権を行使することなどが含まれます。

もちろん一般の観客が撮影する動画や写真は放送局が制作するものとは違いますし、選手が写らないものであれば肖像権にも触れることはありませんから、ここまで規制する必要はあるの?という疑問は当然出てきます。

※演劇には著作権が発生しますが、スポーツの実演には発生しないからややこしい。もちろん放送局の映像には発生します。

どの範囲でならSNSで拡散してよいのか?という具体的なガイドラインを作ろうとするとおそらく複雑なものになるでしょうし、複雑になれば当然読まれないわけで。
上の記事の解説にある通り、IOC側が削除依頼を行使できるように規定を作ったと考えるのがいちばんしっくりくる感じではあります。

一部で誤解もあるようですが、撮影禁止ではないし、私的利用は制限されてないということはおさらいしておきましょう。

ところで別の疑問なんですが、チケットがなくても見られる競技、マラソンや自転車ロードレースなどの扱いも気になるところです。

法律の話を素人がするのはやはり危険ですので、最後に専門家が書いた「スポーツビジネスと法」という記事を紹介して本稿は終わりとします。

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