混迷極まるMGC。五輪切符を阻む2つの記録。

ドーハ世界陸上のマラソン日本代表が発表され、かねてから参戦を希望していた川内選手が順当に選出された。

世界陸上の代表選手は同時期に開催されるMGCには出場しないため、この時点でMGCの出場者もほぼ確定したことになる。

驚いたのは男女各3人の代表が全員MGCの権利を持っていたということ。男子補欠の河合選手も出場権があるため、繰り上がりが発生した場合にはMGCを、そして東京五輪を断念することになる。

女子のMGC権利者は15人のため、MGCは12人以下で行われることが決まった。ペースメーカーもなく、これだけの少人数で行われるレースは極めて異例。
上位2名が東京五輪に内定するMGC。残暑も厳しく、普通に考えれば超スローペースの順位勝負が予想されるのだが、最近になってここに新たな要素が追加された。3月にIAAF(国際陸連)が発表した参加標準記録である。

●男子: 2時間11分30秒
●女子: 2時間29分30秒

問題は、対象期間が今年の1月以降になってしまったこと。つまり、MGCで2位以内に入ったとしても、標準記録を出していない選手は来年5月までに再度レースに出場せねばならない可能性がある。

そして、男子では有力候補とされる大迫・設楽・井上・服部の各選手が揃って標準記録を出していない。なんたることか!女子についても鈴木亜由子選手が標準記録を出していない。

つまり、厳しい状況となるMGCにおいて標準記録を切ることが求められるため、超スローペースにはならない。ますますカオスな展開が予想される。どうなっちゃうんでしょ。
最後の1枠を決めるファイナルチャレンジについても設定記録が発表されている。指定されたレース(男女各3大会)を通じて、設定記録を切った1名が選ばれる。誰も切れなかった場合はMGC3位の選手が選ばれる。

●男子: 2時間5分49秒
●女子: 2時間22分22秒

MGCのワイルドカードの設定記録から考えるとそれなりに厳しいものになるとは予想していたけど、びっくりするほど厳しい。MGC有資格者全員の持ちタイムを上回ることが求められた。男子は大迫選手の日本記録を更新する必要がある。

男子はおそらく東京マラソンに殺到する。女子は大阪か名古屋。両方に出る選手もいるだろう。これらのレースは超高速レースにならざるを得ない。海外招待選手に食らいつく選手たちの姿が見られることだろう。

ちなみにMGCは9/15に開催。男子はTBS、女子はNHKで放送されます。

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