【追記あり】NBAの高額年俸を支えるのはやはり巨額の放映権料。

昨日の日本におけるバスケの放映権の話に続いては、本場アメリカの放映権事情。

NBAの選手の平均年俸は約8億円。15人×30チームという狭き門であることに加え、巨額の放映権料が高額の人件費を支える。
NBAにはいちおうサラリーキャップ制度が採用されているものの、多くの球団がオーバーしており、いわゆる贅沢税を支払っている。みんなで払えば怖くない。
NBAの放映権は全米向けと海外向けが一括管理、ローカル向けが球団管理となっている。これはMLBと同じ方式なので、例えばMLBのニューヨーク・ヤンキースが自ら運営するローカル局「YES」では、MLBのブルックリン・ネッツの試合も放送していたりする。

全米向けの放映権を保有しているのはディズニー傘下のABCとESPN、およびタイムワーナー傘下のTNT。2016年に結ばれた新たな契約は2016-17シーズンから2024-25シーズンまでの9年間で、総額240億ドル、年額換算で26.6億ドルと超巨額。日本円だと兆を超える数字に頭がくらくらする。

前回の契約(2007-08シーズンから9年間)と比べて約3倍というインフレぶりには、テレビにおいてスポーツの生中継が持つ影響力が強くなったことの象徴と言える。生中継だとCMが飛ばされることが少ないため、高い広告効果が期待できる。

他の試合についてはNBAが自ら保有するチャンネル「NBA TV」がカバーする。OTTサービスも運営しており、過去の試合のアーカイブなども視聴できる。
かと言って、NBAの球団が放映権料収入に依存しているかと言えばそうでもなく、入場料収入も大切な要素。人気球団だと入場料収入は全体の30%にも達する。ただし不人気球団はチケット料金を安く設定せざるを得ず、この点では格差が生じている。

NBAは伝統的にジャージーにスポンサーを付けていなかったが、2017-18シーズンから試験的に解禁。人気球団のひとつであるウォリアーズに楽天がスポンサーとなったのはご存じの通り。
NBAはナイキと契約しており、全球団のジャージーの右胸にナイキのロゴが、そして左胸にスポンサーのロゴが入る。これらも大きな収入源となっている。
現時点では3シーズン限定の試験導入となっており、楽天の契約も3年間となっているけど、さてどうなるでしょうか。
最後におまけの話。上でも紹介しているNBAの記事はNBAの日本語公式サイトから引用しており、またこのサイトはsportingnews.comというメディアが運用しているのだけど、この名前でぴんときた人がいるかもしれない。

そう、ここはDAZNのメディア部門。楽天が放映権を獲得するまではDAZNがNBAを配信していた。なんで獲られちゃったんでしょうか。予算の兼ね合いは当然あるでしょうが、八村選手のカレッジでの活躍は伝わっていたはずで、ちょっと残念な采配でした。
【追記 6/23 11:00】
NBAとは若干離れますが、巨額の放映権料と言えば「マーチマッドネス」の愛称で知られる大学のNCAAトーナメントについても知っておくべきだろうと思いますので、以下の記事を紹介します。
昨シーズンについては楽天が、八村選手の所属するゴンザガ大学(ベスト8で敗退)の試合と「ファイナルフォー」を含む8試合を配信しました。

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