マラソン札幌移転、改めてIOCの声明文を読む。
東京五輪のマラソンと競歩について、IOCが札幌での開催を提言した件については改めて説明する必要もないでしょう。
立候補の条件として開催時期が7/15~8/31に指定されていたことや、その時期はおそらく欧米の大きなスポーツイベントと重ならないよう配慮されたものであろうことも、一般メディアで報道されるようになってきました。
いろいろな意見が飛び交うかと思われますが、多くの人に知ってもらえること自体はとてもいいことだと思います。
ということで、IOCから出された声明文について当ブログなりの視点で読んでみるというのが今回の趣旨です。
今回の提案については10/31~11/1にかけて開催されたIOCの調整委員会において特別セッションを開催し、関係するすべてのステークホルダーによって議論されたとあります。
この中にOBS(オリンピック放送機構)と、RHBs(放映権を持つ放送局)が含まれているというのが当ブログ的にはツボなのですね。OBSのほうは映像制作に関するものかもしれないのですが、RHBsのほうは生々しいとしか言いようがないです。
もうひとつ興味を持ったのは、最後のほうに書かれたエクスキューズ的な一文です。
IOCはスポーツを通じて世界に貢献する非営利団体であり、収益の90%以上を再分配している。その金額は1日あたり340万ドルに達し、世界中のスポーツ団体やアスリートを支援している、とあります。
IOCの収入の大部分は放映権料とスポンサー料で構成されていますが、それらはちゃんと分配してますよ。これだけ巨額のマネーを集める意味はちゃんとありますよ。というメッセージだと解釈してよいでしょう。
もちろんこれは事実です。また、今回の問題は陸上競技に限定されたものであり、他の競技団体がどんな思惑を持っているかまではわかりません。
しかしながら、この問題がこれだけ騒がれるまでに発展してしまったことは真摯に受け止め反省すべきであることもまた明白です。
放映権ウォッチャー(?)としては、できるだけたくさんの方にアスリートの姿を見てもらうこと、それによって多くのアスリートが生活の糧を得て、活動を続けられる環境が整うことにマネーが使われること自体は否定しません。
ただ、その裏で犠牲にしているものがないか。そしてマネーが適正に使われているかについては厳しく監視していく必要があるでしょう。
札幌開催の件がメディアで取り上げられてますが、良い意味で僕個人はどっちでもよくて(選ばれたら何処だとしてもベストを尽くすだけだと思ってます)、それ以上に気になって、メディアに発言したのに今回メディアに全く取り上げられなかったことがあります。
— suguru osako (@sugurusako) October 19, 2019
大迫選手が自らマラソン大会を主催する計画を発表しました。先のMGCで賞金が出なかったことから、お金の流れに疑問を抱いたとのこと。
もし大会運営に問題があるのだとしたら、自ら運営に携わることでそれを知りたい。プロランナーとして、そして日本のマラソン界を担う立場として素晴らしい姿勢だと思います。もしクラウドファンディングの計画が出たりするのであれば賛同しますよ。
よって再来年2021年3月辺りを目処に日本で世界との差を縮めるための大会を作ります。
— suguru osako (@sugurusako) October 19, 2019
候補地、正確な時期、スポンサー、全く決まっていません。
でも、意志があるその先に、同士を含め、色々なものが着いてくると僕は思います。これが本当のアスリートファーストだと信じて。
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