初山選手の引退と、入部選手のステップアップ。
引き続き自転車ロードレースの話題から。
今年のジロ・デ・イタリアに出場。第3ステージでは魂の単騎逃げを敢行し、一躍人気者となった初山翔選手が引退を発表しました。
所属していたNIPPO・ヴィーニファンティーニは今年限りで解散。スポンサーのNIPPOは来年から別のチーム(デルコ・マルセイユ)をサポートし、日本人選手も数人加入することになっていますが、そこに初山選手の名前はなく。所属先が決まらない状況となっておりました。
NIPPOの大門監督のコメントは熱い言葉が散りばめられたものですが、結局のところ日本のスポンサーが増えなければ日本人選手が世界に出ていくことはできないよ、ということを言っているわけで、それがロードレース界の現実。スポンサーへの依存が高すぎるのです。
NIPPO・ヴィーニファンティーニの解散も、来年のジロ・デ・イタリアに出場できなくなったからという理由が大きく。ステージ優勝もあり、初山選手の逃げもあり今年はたくさんの話題を提供してくれましたが、メディアへの露出価値がなくなればあっという間です。
これも一部の大きなレース以外はなかなか注目されないというこの競技の問題点を端的に表しているのですね。
一方、去る選手も入れば新たに加わる選手もいるわけで。来年から発足するNTTプロサイクリング(今年までのディメンションデータ)に、現日本チャンピオンの入部正太朗選手が加入します。
ディメンションデータ社はもともとNTTの子会社ですが、今後はNTTのブランドを前面に押し出すという意思決定がなされ、日本へのアピールという意味を込めて入部選手に白羽の矢が立ちました。簡単なチャレンジではありませんが、期待しましょう。
結局のところスポンサーの都合によって多くの選手の運命が変わっていくのです。だからこそ目の前に降ってきたチャンスは逃すべきではないし、また自分で引き際を決められる選手は幸せなのでしょう。
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