【検証】DAZN自転車はほぼユーロスポーツだった？

DAZN撤退によりすっかり後の祭りなのですが、引き続きサイクルロードレース周りの放映権について精査してみます。今回はユーロスポーツが取り扱っているものに絞ります。

ソースは以下のWebサイトに掲載されているカタログです。ご覧の通り、複数のパッケージに分割して販売されています。また、対象がworldwideなものと、それ以外のものがありますのでご注意ください。

約50レース、130日間のレースが詰まった最大のパッケージですが、内容としては以下のパッケージに含まれない「その他全部」のような感じでしょうか。

残念ながらレースのリストが書かれてないため、DAZNがこれを購入していたかは不明です。DAZNが配信しなかったレースで国際映像が存在していたものはあるので(ツアー・オブ・アルプスとか)、購入していないかも。

今年からカテゴリが再編され、新たに「UCIプロシリーズ」が編成されましたが、その中から20レースがパッケージされています。

こちらもリストはありませんが、バレンシア・ダンケルク4日間・スロベニアなど、昨年DAZNが配信していたレースの名前があげられています。昨年のDAZNはこれに類するパッケージを購入していたようです。

フランダースクラシックが主催する6レースが対象。筆頭はもちろんロンド・ファン・フラーンデレンです。

テリトリーに日本が含まれてないため、代理店はIMGとなりますが、DAZNは配信しました。

RCSスポルトが主催するレースのうち、ジロ・デ・イタリアを除いた6レースのパッケージ。ミラノ～サンレモ、イル・ロンバルディアなど。

これもIMGが代理店ですが、DAZNは配信しました。

「ビンゴールカップ」と呼ばれるシリーズ戦8レース。これもDAZN配信あり。もしかして安かったの？

フランスにも同様のカップ戦が。対象は6レース。

ほぼ(すべて？)英語配信だったと記憶してますのでカップ戦であることは強調されませんでしたが、これも配信されましたね。

以下6レースのパッケージ。すべてDAZN配信あり。

デパンネ3日間

E3ビンクバンククラシック

イツリア・バスクカントリー

ツール・ド・ポローニュ

ブルターニュクラシック・ウエストフランス

ビンクバンクツアー

ジロ・デ・イタリア単独です。

代理店はIMG。もちろん配信あり。

イギリス・フランス・スペインのナショナル選手権。

フランス選手権はJSPORTSで放送されましたね。スペイン選手権はハイライトのみDAZNで配信。

最初の「Package Cycling GOLD」だけは不明ですが、他のパッケージのレースについてはほぼすべてDAZNが配信していた、という結論が出ました。

IMGからも世界選手権(すでにSPEEDチャンネルが購入済み)を除いてロードレースのコンテンツはほぼすべて購入しており、DAZNとしては押さえられるコンテンツを全力で押さえたし、これで採算がとれないのならもう仕方ないといったレベルではないかと。

もっと小規模でスタートする選択肢もあったかとは思いますが、JSPORTSとASOの関係が磐石である以上、物量作戦で勝負に出たのは理解はできます。やはりツール・ド・フランスは絶対的存在なのですから。

JSPORTSの契約が満了する2023年までDAZNが動くことはないでしょうし、失った信頼を思えば二度と動かない可能性も高い。クオリティの問題は多々あって到底書ききれませけど、少なくとも貴重なお財布をひとつ失ったことの穴は予想以上に大きいと言えます。

果たして別のお財布は現れるのか。もし現れたとしても、今度は我々のお財布が試されることになります。結局のところ、ファンが増えなければ未来もないのです。

ユーザーへの告知は最近でしたが、業界内ではもっと以前にこの件は伝わっているはずですし、水面下ではすでに動きがあるものと思いたいですが…こればかりはなんともです。