DAZN参入はF1の潜在視聴者を掘り起こしたか。

一昨日取り上げたDAZNのファクトシートによると、日本においてモータースポーツの総視聴時間が約1,070万時間に達し、競技別ではサッカー・野球に次ぐ3番目となりました。

日本のDAZNで配信されているモータースポーツはF1およびサポートレースのF2・F3のみ。年間21戦ですから、予選やフリー走行を含めても配信時間はさほど多くありません。それを考慮すると大健闘と言えそうです。
また、F1はDAZN独占ではなく、もはや老舗と言えるフジテレビが30年以上放送し続けているコンテンツ。川井ちゃんのマニアック解説に惹かれるとDAZNの中継は物足りないと感じるのだとか。

※この件に関連して、先日亡くなられた今宮純さんに心から哀悼の意を表します。筆者もまた今宮さんの解説によってF1への興味を深めた一人です。

現在はフジテレビNEXTでの放送となっていますが、このチャンネルは他のパック・セットに含まれないプレミアムチャンネルなので、自らの意志で契約する必要があります。

直近の契約数は公表されており、約30万件とのこと。もちろんF1は多くのコンテンツの中のごく一部でしかありませんが、目玉コンテンツであることは確かなので、この中の多くの方が観ているのだろうと思われます。
さて、昨日の記事より日本におけるF1の放映権は2022年までFOX Sportsにあることを書きましたが、そのソースである記事を改めて読み返したところ興味深い記述がありました。

この記事が掲載された2016年初頭において、フジテレビNEXTの契約数は30万件強。つまり現在とほぼ変わらないのです。その間の推移は不明ですが、増えても減ってもいない。もちろんビジネスとしては増えたほうがいいに決まってますが、減らないこともそれなりに評価すべきでしょう。

DAZNの参入によってフジテレビNEXTの解約が増えた?という仮説を立てることは容易ですが、意外と減っていない。ということは、DAZNのF1視聴者には新たに増えた、または戻ってきたファンが結構いそうです。
競技ごとの課金ではなく、ひとまとめのサブスクリプションにしている理由のひとつとして競技間の相互送客があげられますが、サッカーや野球を主目的として加入した顧客がF1も観る(あるいはその逆)というのは長期的な関係を築くにあたってとても大切なこと。おそらくDAZNにとってF1は手離したくないコンテンツとなるでしょう。

こうなると、未練たらたらで申し訳ないのですが、やはりサイクルロードレースの撤退の話につながってしまう。DAZN参入前、そして撤退後は主にJSPORTS4で放送されていますが、JSPORTS4もまた他のパック・セットに属さないプレミアムチャンネルだからです。
JSPORTS全体の契約数は約600万件と公表されてますが、実はその多くがCATVの基本パック。スカパーのプロ野球セットに加入してる人も意外と多くないことがわかります。ましてやJSPORTS4にわざわざ加入してる人はどの程度いるのでしょうか…

プレミアムチャンネルですから、独立採算とまではいかなくともある程度自力で稼ぐことが求められますし、それだけ熱量が多いファンが多い競技だとみられているわけです。そゆえにDAZNの登場はライトファンを取り込むいい機会だった。つくづく惜しまれます。たぶん今年はずっと恨み節を書くことになるでしょう(^-^;

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