【詳報】スカパー、ブンデスリーガと5年間のパートナーシップ契約。

正式な発表が出ました。これだけ大きなニュースが先に海外メディアから発信されるのは珍しく、SportBusinessさんはとても信頼できるメディアではありますが、正直なところガセネタでないことを願っておりました。

ということで改めて書きますと、スカパーが来季から5年間(2024-25まで)の放映権を獲得。さらにパートナーシップ契約を締結し、日本におけるブンデスリーガの共同マーケティングを実施するというかなり踏み込んだ内容となっています。
ブンデスリーガの放映権については以前の記事でも触れましたが、2015-16シーズンからFOX Sportsが日本やアメリカを含む約80か国における放映権を獲得。しかし、日本では独力で放送できる体制を確立できず、フジテレビNEXTやJSPORTSを経て、DAZN、そしてスカパーへと遷移してきました。(NHKでも録画放送)

この契約は今季で終了ですが、すでにアメリカではESPNが来季から6年契約を結んだことが明らかになっており、まとめ売りから国単位でのバラ売りに移行しました。なので今回の発表は購入者が誰になるにせよ規定路線だと言えます。
前回スカパーがブンデスリーガの放映権を獲得したのは2年前ですが、タイミングとしてはDAZNが欧州CL/ELの放映権獲得を発表した直後にあたります。つまり、ほぼ並行して進んでいたであろう入札プロセスにおいて、両社とも二正面作戦に出られるほどの物量はなかったのでしょう。

すでにJリーグを手中に収めていたDAZNとしては、世界最高峰のレベルを求めて欧州CLにリソースを投入したのでしょうし、スカパーは海外で活躍する日本人を求めてブンデスに張ったのではないかと。その後ベルギーやポルトガルを獲得したのも延長線上にあると言えます。

DAZNはただでさえコロナ禍で苦しい状況ですし、優先順位としては来季で切れるCLや、その先のプレミアを防衛することのほうが高いでしょう。入札に参加したかは不明ですが、そこまで高値をつけるほどではなかったと妄想します。

もうひとつ考えたいテーマとしては、スカパーが自ら放映権を獲得することの意味です。セリエAもベルギーもポルトガルも、発表内容をもとにすれば今季で契約が切れるはず。これを機にサッカーからの撤退があってもおかしくない状況でした。

スカパーが自ら放映権を持たずとも、ラ・リーガはWOWOWで見られるでしょうし、JSPORTSなど他のスカパーに乗り入れている放送局に任せる手もありました。プロ野球はそのようにしています。コストが見合わなければ、そういう判断は充分あり得ることです。

しかし、今年春にスカパーはプロ野球のソフトバンク戦の放映権を獲得。また、Bリーグの放映権にも名乗りをあげていたことが報道されています。まだまだスカパーはスポーツに力を入れ続けるであろうことが明らかになりました。

ライバルはDAZNなどのOTTサービスだけではありません。CATVや「ひかりTV」などのIPTVも大きな競合です。現にソフトバンク戦はCATV局に対してはライセンスを出したものの、ひかりTVには出しませんでした。

衛星放送という事業そのものが「オワコン」になる時代も遠くないかもしれません。スカパー自身もOTTなどに力を入れつつあります。プラットフォームの枠を取り払って考えたとき、改めて自らが放映権を持つことの意義が見えてくるのでしょう。

今後、他のリーグの動向も判明することで、どこまでスカパーが本気なのかが分かります。期待しながら見守りたいと思います。

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