もしツール・ド・フランスが中止されたら

冷静かつシビアな記事です。観客からの入場料収入が得られないサイクルロードレースのビジネスモデルの脆弱さ。そして、メディアへの露出の多くがツール・ド・フランスに集中している歪みが、このコロナ禍においてくっきり現れています。

レースの観客はすなわち観光客でもあり、レースの映像は観光ビデオの役割も果たすので、地方自治体がレース開催の誘致を行います。しかし、観光業が大きなダメージを受けているいま、そんな場合ではないというのが正直なところです。
スポンサーも大きく傷ついており、経営の建て直しが最優先。すでにCCCが撤退を決めたのに続き、バーレーン・マクラーレンからマクラーレンも撤退しそうとのこと。

マクラーレンにはバーレーンの資本が入っているのでちょっと分かりにくい話ですが、チーム名には2社までしか入れられないため、マクラーレンを下ろして別のスポンサーを探すことにしたようです。F1では復調を見せていますが、肝心のクルマが売れないのであれば手を打つしかありません。

今年のツール・ド・フランスは8/29開幕に延期されていますが、他のスポーツとの競合になり、スポンサーの露出効果は減るものと見込まれます。

おそらく今後もスポンサーの撤退話は出てくることでしょう。かと言って現状では有効な打ち手もなく、はっきり言って苦境です。
ちょっとだけ明るい話題も紹介しておくと、現在開催中の「バーチャル ツール・ド・フランス」がなかなか面白いということ。おうちで自転車という、健康で環境にもやさしいイメージをもっと前面に押し出すことがひとつのカギとなるかもしれません。

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