MLSシアトル、Amazonと契約。一括管理の布石か。

米MLS(メジャーリーグ・サッカー)のシアトル・サウンダーズFCは、Amazonプライムで試合を配信すると発表。契約は2022年までで、全国枠で放送されない試合をカバー。範囲はワシントン州のみに限定されたローカルなものとなります。

Amazonはニューヨーク・ヤンキースなどが出資するテレビ局・YESの買収に参加するなどローカルでの動きも見せており、この流れに続いたものとみられますが、どうやらその先の展開も見据えているようです。
MLSの放映権は、全米向けについてはFOX、ESPN、Univision(スペイン語放送)が保有していますが、ローカル枠については各クラブが独自に契約できます。

しかし、MLSはクラブに対して2022年を越えた契約を結ばないよう指示しており、これは2023年以降にローカル枠の放映権もリーグ側で一括管理する意向を示していると考えられます。これはNFLがとっているスタイルですね。

アメリカのメジャースポーツの特徴としてあげられるのは「昇降格なし」「サラリーキャップ」「ドラフト」などがあげられ、各チームの収入の安定と戦力の均衡を保つよう設計されています。MLSもドラフトを除いてそれらを取り入れていますが、America is No.1のスポーツとは違ってサッカーではヨーロッパの巨大市場と戦う必要があります。

そのためにも一括管理でまとまった放映権料を得ようという動きは理解できますし、もしその相手としてAmazonを含めた多くの業者が手を上げることになれば、金額のつり上げにも期待できるでしょう。

将来的にはメキシコ・リーガMXとの統合案も囁かれておりますが、アメリカ流スポーツビジネスをヨーロッパ流と融合させる試みは今後も続いていくはずです。

日本でもAmazonのスポーツ配信を望む声はあるかと思いますが、現状は慎重的です。まず会費が他国に比べて低い設定となっており、かつ物流網が整備されているためコスパがかなりよい。これ以上のサービス充実を図るのであれば値上げは必須でしょうが、ユーザーに受け入れられるのか。前回の値上げは案外すんなり受け入れられましたが…

女子ゴルフの放映権絡みで名前が上がったこともありますが、現在のユーザー層とは異なる層を取り込めることや、物販につなげやすい競技であることが理由としてあげられます。同様の視点から、もしAmazonが参入するならどの競技かを想像してみるのも面白そうです。

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